【積立投資】ドル・コスト平均法の損得を分ける4つのポイント

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積立投資とドル・コスト平均法

初めて投資に取り組む際におすすめなのが、積立投資です。

まずメリットの一つとしては、積立投資であれば、いま現在まとまったお金がなくても、毎月無理のない金額で投資商品を購入し続けることで、資産を大きく増やそうとすることができます。とくに少額で始められる投資信託は、扱っているところも多く、気軽に始められるものとしておすすめです。

積立投資のもう一つのメリットが、毎月タイミングを決めて購入していくことから、いつ購入するかに悩まなくて済むことです。自分で買い時や売り時を決断していくのは、とくに初心者には、なかなか難しいことですが、積立投資なら、だれでも迷わずに投資を続けていくことができます。

こうした積立投資のメリットを実現しているのが、「ドル・コスト平均法」という投資方法です。

ドル・コスト平均法の2つの利点

ドル・コスト平均法とは、一定金額で買えるだけの資産を毎月購入していく、という方法です。

毎月用意する金額は同じなので、商品の価格が高い月は少ししか買いません。逆に、安い月になると、たくさん買うことになります。
つまり、「割高なら買いを抑制、割安なら一気に買い」というイメージです。

こうすることで、長期にわたった際の購入単価の平均値を低く抑えられるのです。

また、高値での大量買いを避け、安値の時に多く買えるので、高値買いでの損を恐れて投資を渋ることがなくなったり、高値で買った際の「損した気分」を和らげてくれる、という心理効果もあります。

こうして投資の心理的障壁を下げることで、チャンスを逃さずに済む、という効果もあります。

こうした2つの点は、積み立て投資をドル・コスト平均法で行う際の、大きなメリットとなります。

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ドル・コスト平均法の損得を分けるパターン4つ

しかし、ドル・コスト平均法で積立投資しておけばそれで万事OKかというと、そうとは言えません。便利な方法だからといって、何も考えずにドル・コスト平均法の積立投資を選択したり、そのまま放置していると、利幅が小さくなったり、損失が出てしまう可能性もあります。

ここで、そうしたドル・コスト平均法の損得を分ける、4つのパターンについて説明します。

1. 価格が上昇一直線 →△利幅は縮小

例えば、毎月値段が上がっていく銘柄を、ドル・コスト平均法で買っていくとします。
この場合、購入開始月が最低価格、最終月が最高価格となります。

こうすれば、平均購入単価は最終月の価格よりも低くなり、かつ高値の最終月に売ると利益が出ます。

しかしこの場合は、最低価格だった購入開始月に、同じ数をまとめて一括で買っていたなら、平均購入単価を最低値に抑えることができ、ひいては利益もずっと大きくできていたはずです。

つまり、ドル・コスト平均法を選択することにより、利幅が縮小してしまったと言えます。

…といっても、ドル・コスト平均法による積立投資の存在意義は「初心者が投資チャンスを逃す=投資自体をしないで機会損失が起きてしまう」ことを防止することです。

だから、上記の例などは、「あのとき一括で買っていればもっと利幅が大きかったのに…」と悔やむより、むしろ「あのとき判断がつきかねて買わなかったら、利益は出なかっただろう。積立投資で利益が出てよかった!」と喜ぶべきケースと言えます。

2. 価格が下落一直線 →×損失

今度は、毎月値段が下がっていく銘柄を、ドル・コスト平均法で買っていった場合です。

この場合は、たとえば初月の株価が一万円でも、それから下落が続き、最終購入月の株価が千円に下がっている、といった場合です。

購入平均単価は、もちろん初月の最高値よりも安く済ませられますが、最終月の底値で売ってしまうと、当然大きな損失が出てしまうのです。

こうした際は、株価が上がるまで待つという対応策も考えられますが、待っていればいい頃合いに必ず上がる、とは限りません。場合によっては損切り(値下がりが大きくならないうちにさっさと売る)も有効です。

一番の対策は、いくらドル・コスト平均法が良い方法だからと言っても過信はせず、安易に危うい銘柄に手を出さないことです。

3. 価格が一度上がってまた戻る →×損失

次は、しばらく値段が上がり続けて、途中で下がりだし、最後に初月の値段まで戻るケースです。

このパターンでは、最後の月の値段が最初の月の値段と同じとなるため、ドル・コスト平均法で買っていればなんとなく損が出ない・・・ように思う人もいますが、実際はなんと、逆です。

売りの月が購入開始月と同価格だったとしても、間に高値買いの月があるため、平均購入単価は売り月よりも高くなってしまいます。つまり、このままで売ると損失が出てしまいます

例えば投資期間を〇〇か月と決めて積立投資しているが、値動きの動向を把握していなかったり、所有資産の状況を数字で見ていない、という人だと、こうしたパターンで損失をこうむる可能性があります。

4. 下落があったあと価格が戻る →〇利益が出る

ドル・コスト平均法が有効なのは、価格が下落した後もとに戻ったり、下落・戻り(上昇)を繰り返すケースです。こうした場合は、たいていの場合、平均購入単価をおさえつつ、手堅く利益を手にすることができます。

例えば、購入初月に一万円だったが、しばらく下落し、底値で百円となり、また一万円に戻った銘柄があったとします。

このときは、途中に百円までの安値でたくさん買えていたため、平均購入単価は一万円をずっと下回ります。こうなると、最終月は初月と同じ一万円でも、平均購入単価がずっと低いために、しっかりと利益を得ることができます。

あるいは、上昇と下落が繰り返された場合でも、最終的に価格が元に戻ったところなどで売れば、利益を出せます。なぜなら、上昇し高値となったときには買いが少なく、下落し安値となった時には多く買っているために、平均購入単価を元の値段より低く抑えることができるからです。

このように、下降と上昇が繰り返されるようなケースは、ドル・コスト平均法の真骨頂です。
※といってももちろん、上下動が多ければいつ売っても利益が出る、というわけではないので、注意してください。

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注意点を守り、しっかり利益をつかもう

ここまで読めばお気づきかとは思いますが、メリットが強調されがちなドル・コスト平均法による積立投資も、けして万能ではありません。

ただ積み立てて売るだけでは、状況によっては損失が出る可能性も十分にあります。

とくに、初心者にありがちなのは、より得しよう、より儲けよう、と考えて、結局タイミングを見誤るケースです。「もっと下がるだろう…」と考えて積立投資を始めないまま時が過ぎたり、「もっと上がるだろう…」と考えて売り渋ったりしていると、結局利益が得られなかったり、思わぬ状況に遭って損失を出したり、ということが、往々にしてあるのです。

ドル・コスト平均法なら安全だから、と安心してしまわず、安易に値動きの激しい銘柄に手を出したりせず、また資産状況や価格変動は定期的にチェックするようにしましょう。

そうした注意さえしておけば、ドル・コスト平均法による積立投資で、株価変動に過度に左右されず、日々の心理的負担も低く抑えて、より安定的に資産運用にあたり、しっかりと利益を手にすることができるようになるはずです。

 

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