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【トルコリラ円リアルタイム】今夜政策金利発表も大統領の「利下げ要求」でリラ急落(2018年10月25日)

いよいよ、ビッグイベントとなるトルコ・政策金利発表が、今日25日(木)日本時間20時へと迫ってきました。

今週の流れとして、一時は金利発表前の手控えムードだったものの、エルドアン大統領が中銀に利下げ要求を行うなど、すでにいくつかのサプライズ材料が出たことで、レートが大きく上下しています。

今週前半の動きを振り返りつつ、今夜の政策金利発表にまつわるトルコリラ円見通しを発表します。

今週前半のトルコリラ円振り返り

今週22日(月)~25日(木)のトルコリラ円レートは、高値20.04円から安値19.07円のレンジで推移しており、先週終値比では小幅に下落しています。

・トルコリラ円 22日(月)~25日(木) 30分足

今週のビッグイベントはやはり、今夜のトルコ・政策金利発表となります。

事前予想は据え置きとなっているものの、トルコではこうしたイベントの直前にサプライズが起きることが珍しくなく、週初月曜から火曜にかけては、様子見の手控えで横ばい推移が続きました。

23日、「利下げ要求」発言で急落

しかし23日午後になって、トルコリラ円レートが急落しました。
原因は大きく2つが考えられます。

まずひとつは、日本時間12時頃に報じられた、トルコ・エルドアン大統領によるトルコ中銀への「利下げ要求」発言です。
こちらは、今日の政策金利発表を控え、投資家心理を冷やすこととなり、日本時間昼から夕方までのトルコリラ円レートを急激に下押しました。

もう一つは、日本時間17時ころに、トルコ・民族主義行動党(MHP)がエルドアン大統領率いる与党AKPと「2019年3月予定の地方選挙では提携しない」と発表したことです。
MHPはエルドアンの大統領選挙時に提携していた党であり、こちらもトルコの政局見通し不透明化との見方につながり、トルコリラ円レートは日本時間夕方から夜まで、さらに売られ下落する展開となりました。

23日夜に懸念一服で持ち直し

MHPの提携解消の報をうけ、23日夜にはエルドアン大統領が「2019年3月の選挙に関しては提携しないが、その話とは別に、AKPは、これからもMHPと提携していくつもりだ」と声明を出しました。

これによりトルコリラ円レートは一転下げ渋りました。その後25日11時現在は、今週頭より一段安となる19.55円周辺のレンジで、ふたたび手控えによる横ばい気味の推移となっています。

もう一つ、悪材料として大きな懸念を集めていたトルコ国内でのサウジ記者殺害問題に関しては、トルコ・エルドアン大統領がサウジの対応へ批判を強めつつも、エルドアン大統領とサウジ・ムハンマド皇太子が「電話会談を行い、協力して事態収束にあたる」との報道が出たことで、(少なくとも市場では)懸念一服となっています。

政策金利発表と「利下げ圧力」

すでにいくつかの材料で大きく動いているトルコリラ円レートですが、今日20時には今週の最注目イベントである政策金利発表が控えています。

予想は据え置きですが、これはいわば、トルコの高インフレを抑えたい中銀の「利上げ圧力」と、来年の地方選挙で勝つために金融緩和方向に動きたいエルドアン大統領の「利下げ圧力」の綱引きの結果と言えます。

しかし今回は、金利発表直前になって、エルドアン大統領より中銀へ直接の「利下げ要求」が行われるという事態になっており、結果がどう転ぶかは見えない状況です。

金利据え置きが大方の予想ですが、万が一、中銀が圧力に屈し利下げとなった場合は、トルコリラ円レートは大きく下げる可能性があります。今夜は金利発表の結果に注視が必要です。

今日のレンジ予想/トルコリラ円見通しと推移

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