今週、政策金利発表というビッグイベントをこなしたトルコリラ円ですが、結果は据え置きで、エルドアン大統領の利下げ圧力にトルコ中銀が屈しなかったことが好感され、レートは週高値圏を安定して推移しています。
今週の動きを振り返りつつ、トルコリラ円の今週末の見通しと来週のレンジ予想を発表します。
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今週のトルコリラ円振り返り
今週22日(月)から26日(金)のトルコリラ円レートは、高値20.041円から安値19.065円のレンジで推移しており、先週終値比では小幅に上昇しています。
今週は、きのう25日(木)の夜20時予定であったトルコ・政策金利の発表を控え、週初22日(月)には手控えムードの横ばいで推移したのち、23日(火)にはエルドアン大統領の「利下げ要求」発言などで一時急落するも、24日(水)には懸念一服で週初のレンジ付近に戻す展開となっていました。
政策金利は据え置き、レートは週高値圏で安定
25日(木)20時に発表された政策金利は、事前予想どおりの据え置き(24.0%)となりました。
事前にはエルドアン大統領より事実上の利下げ要求が発されていたにも関わらず、その圧力に屈さずにトルコ中銀が判断を下したということで、市場はこれを好感、トルコリラ円レートは発表とともに上昇し、その後も週高値圏で安定して推移しています。
今週末のトルコリラ円レート見通し
今日26日(金)に、トルコに関して経済イベントは特に予定されていません。さらに、来週月曜はトルコが休場であるため、通常であれば手控えで動きの少ないまま週を引ける可能性が強い状況です。
米GDP発表には要注意
ただ、今日26日(金)の夜21時半には、米国GDPの速報値が公開される予定となっており、こちらがトルコリラ円レートに影響を及ぼす可能性があります。
米GDPの事前予想は下落となっていますが、今回のGDP下落は米経済のみならず世界経済の減速懸念へとつながる可能性が色濃く、予想通りであればリスクオフからトルコリラ円レートが下がる可能性があります。
一方、GDPが上振れしたとしても、資金が米ドルに流れる可能性があり、トルコリラ円レートは下落圧力を受ける可能性があります。
このところ、20円の上値抵抗線を、あと一息で突破できずにいるトルコリラ円レートですが、ここで大きな動きが出れば、一段安のレンジに押し戻される展開も考えられるため、注意が必要です。
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来週のトルコリラ円見通し
来週は、31日(水)の16時、トルコ・9月貿易収支が発表予定となっています。
通貨安・高インフレに苦しむトルコは現在巨額の対外債務を抱えており、貿易収支は前回値も-24.2億ドルときわめてバランスの悪い状況でした。
ただ、9月からはトルコリラが底打ちから回復傾向にあり、今回の発表で貿易収支が改善する可能性も否定はできません。
といっても、収支がプラス圏へ抜ける可能性は低く、決定的な好材料がないことにはかわりがありません。
何らかのサプライズが無い限り、来週のトルコリラ円レートは緩やかな回復傾向を保ったまま、20円周辺を方向感なく推移する可能性があります。
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来週のトルコリラ円レート レンジ予想
来週のトルコリラ円レートは、高値21.4円から安値18.4円のレンジを予想します。