先週のトルコリラ円レートは、原油安で堅調ななかドル安での新興国通貨高も支援材料となり、一時は8月高値となる21.80円を上抜け、さらに22円台に載せる展開となりましたが、押し戻され21.70円台で引けています。
とはいえこれで続伸8週目を達成、9週目となる今週も続伸を果たせるか、注目の集まるところです。
今日までの概況をまとめつつ、今週のトルコリラ円レートレンジ予想を発表します。
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先週のトルコリラ円概況
先週26~30日のトルコリラ円レートは、高値22.038円から安値21.156円のレンジでおおむね堅調に推移し、前週終値比でも上昇しています。
リスクオフ心理後退にドル安も支援、一段高
週初26日(月)のトルコリラ円レートは、日米株高を受けてのリスクオフ心理の後退とともに買い優勢で上昇しました。
27日(火)には勢いが鈍ったものの底堅く、さらに29日(木)未明には、米利上げ休止観測によるドル安からの資金流入が起きたことで一段高となり、一時は22円を上抜けたレンジまで上昇しました。
週末30日(金)には22円手前のレンジで推移したのち、夜23時に週の上げ幅を半値ほど戻し、しかし21.6円周辺で下げ渋って週の取引を終えました。
続伸9週目に突入
先週も週足プラスで引けたことで、トルコリラ円レートは8週続伸を達成、今週はついに続伸9週目に突入することになります。
今年に入ってから長らく下落トレンドが続いていたトルコリラ円は、今年8月に史上最安値となる15.416円をつけて以来、一転堅調な推移を維持しており、先週は節目となる8月高値の21.842円を一時回復するまでに至っています。
今日のトルコリラ円概況、レンジ予想見通し
今日12月3日(月)のトルコリラ円レートは、高値22.040円から安値21.760円のレンジで推移しており、先週終値比では上昇しています。
CPIは改善も市場の反応は限られ
今日3日の16時には注目のCPIや生産者物価指数が発表となりました。とくにCPIに関しては、超高水準なインフレに苦しむトルコにとって極めて重要な指標ですが、結果は前回比で下落(前回25.24%、今回21.62%、改善)、しかも市場予想(23.04%)を下回る水準となり、トルコ経済が立て直しに向かっていることが確認されました。
ただ、いずれにせよ極めて高い水準のインフレのただなかであることは変わらず、またこれによってトルコの超高水準な政策金利(24.00%)が引き下げられる観測が出たともいえ、市場の反応は限られました。
今日のトルコリラ円見通し・レンジ予想
今日発表となったCPIなどのほか、トルコでは今週特段の経済イベントはスケジュールされていません。
一方、このところのトルコの堅調展開の支えとなっている原油価格のほうは、今後もトルコリラ円レートを振らす材料となりそうです。
原油輸入国トルコにとっては原油安が支出圧縮につながる好材料であり、原油価格が低水準にとどまっているあいだはトルコリラ円にも追い風となります。ただし、少し上振れただけでもトルコリラ円レートは神経質に反応しており、今後長い間原油安・トルコリラ上昇のトレンドが続く可能性は高くはありません。
その原油価格の方は、先週29日(木)に安値49円台をつけたのち、週明けのきょう3日には、53円を上抜けたレンジまで上昇しています。今の所のトルコリラ円レートは比較的落ち着いた展開となっていますが、注目が必要な状況と言えます。
また、トルコリラ円レートが先週22円を突破できずに週の取引を終えたことも覚えておく必要がありそうです。今日3日も、夕刻のCPI発表とともに22円上抜けをトライしていますが押し戻されており、今週はこの22円周辺のレンジで上値の重い展開となりそうです。
今日のトルコリラ円レート見通しは、高値22.35円から安値20.75円のレンジを予想します。
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今週のトルコリラ円見通しと関連イベントスケジュール
トルコリラ円に関する今週の経済イベントとして、下記が予定されています。※いずれも本日3日16時に発表済み
3日(月)16:00 11月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)(前回25.24%、今回予想23.02%、結果21.62%)
3日(月)16:00 11月消費者物価指数(CPI)(前月比)(前回2.67%、今回予想-0.29%、結果-1.44%)
3日(月)16:00 11月生産者物価指数(前回45.01%、今回38.54%)