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【ドル円 今週回顧・来週展望】英離脱に翻弄も円安進行、リスクオン心理は維持か(2019年3月 第三週~第四週)

今週11日~15日のドル円レートは、混乱を極める英EU離脱問題に関して次々に浮上する好材料・悪材料に振らされつつも、週末にかけてはリスクオン心理が台頭し、一時は112円台を伺うまでに円安が進行しました。

今週のイベントを振り返りつつ、来週へ向けたドル円為替展望を解説します。

今週の米ドル円FX振り返り

今週の米ドル円FXレートは、高値111.904円から安値110.878円のレンジで、堅調に推移しています。

・ドル円FX 2時間足(11日~15日:3月第三週)

週前半は一進一退

週前半は、英EU離脱問題に関し、英・EUが離脱案合意に至るなど、事態進展のきざしが報じられたことで期待感が前進、レートは111円中盤まで円安が進んだものの、その後は一進一退の報道が続き、じり安展開に移行しました。

さらに13日(水)には米トランプ大統領から米中通商協議に関して「対中合意は急がない」との発言が出たことで、レートが一時110円台まで下押す一幕もありました。

合意なき離脱回避でレート一段高

しかし週後半となる14日(木)早朝には、英国で「合意なき離脱」を認めるかどうかの採決が行われた結果、僅差で否決となり、最悪の事態は免れるのではとの見通しが優勢となりました。

これを足がかりにドル円レートもリスクオンのドル買いが台頭、続く14日東京時間に浮上した日銀追加金融緩和期待のドル買いも巻き込んで、レートは111.00円付近から111.70円付近まで一気に上昇(円安方向)しました。

週末15日(金)には、日銀黒田総裁が「金融政策は現状維持」という旨を発言、日銀追加緩和の見通しが崩れ、巻き戻しのドル売り・円買いの流れが出ました。またこの際、北朝鮮が「米との非核化協議停止を検討している」との報も重荷となり、レートは今週高値の111.90円台から、一時は111.40円台まで下押しました。

しかし市場はややリスクオンに傾いており、レートはまもなく下げ渋り、やや戻した111.70円付近で横ばい展開へと移行しました。15日(金)17:30現在もレートは変わらず、111.709円となっています。

今週のドル円まとめと来週の見通し

英EU離脱に関し英議会は混沌とした状況にあり、関連報道の一進一退ぶりに振らされるかたちで、今週のドル円レートも高下しました。

ただ、英離脱問題が千鳥足ながらも前進していること、また今週はすっかりその陰に隠れたていとなりましたが、もう一つの大きな材料となる米中通商協議についても大局的には前進していると見られることから、市場はリスクオンの地合いを次第に強めています。

また、強気に傾きつつある相場の下支えとして、一時懸念の強まっていた米景気に関し、発表される経済指標が底堅い結果となっていることも影響していると言えます。

来週も英EU離脱問題が焦点か

来週も、最大の焦点は英EU離脱の進展となりそうです。英議会は離脱期日延期を可決しており、メイ英首相は再び離脱協議案を採決にかける必要があります。

こちらが可決となれば離脱延期は短期となりますが、否決となれば延期は長期に及ばざるを得ず、長期延期の可否をEUに要請することになります。いずれにせよ迷走の感が否めないとはいえ、可決であれば事態進展とみてリスクオン、否決であれば見通し悪化で地合い軟化の可能性があります。

また来週には米FOMCも控えています。政策金利は据え置き予想となっていますが、米景気の見通しについてパウエルFRB総裁が何らかの修正を加えた場合など、こちらも材料となって方向感に影響する可能性があるため、要注目と言えます。

現在のドル円レートと関連指標の状況、ならびに、直近の重要な経済指標結果が円安・円高のどちらに影響しやすいかなど、ドル円為替レートの現在を知るには、こちらを御覧ください。

現在のドル円為替 リアルタイムレートと経済指標結果

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来週の米国関連イベントスケジュール

来週予定されている米国の経済指標公表などのスケジュールは、下記の通りです。
※状況に応じ変更となる可能性があります。

3/18(月)23:00 3月NAHB住宅市場指数(前回値 62、今回予想 63)

3/19(火)   米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
3/19(火)23:00 1月製造業新規受注(前月比)(前回値 0.1%、今回予想 -0.2%)

3/20(水)20:00  MBA住宅ローン申請指数(前週比)
3/20(水)27:00  米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(前回値 2.25-2.50%、今回予想 2.25-2.50%)
3/20(水)27:30  パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見

3/21(木)21:30 前週分失業保険継続受給者数(前回値 177.6万人)
3/21(木)21:30 3月フィラデルフィア連銀製造業景気指数(前回値 -4.1、今回予想 5.0)
3/21(木)21:30 前週分新規失業保険申請件数(前回値 22.9万件)
3/21(木)23:00 2月景気先行指標総合指数(前月比)(前回値 -0.1%、今回予想 0.1%)

3/22(金)22:45 3月製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)(前回値 53.0)
3/22(金)22:45 3月総合購買担当者景気指数(PMI、速報値)(前回値 55.5)
3/22(金)22:45 3月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)(前回値 56.0)

3/22(金)23:00 2月中古住宅販売件数(前月比)(前回値 -1.2%、今回予想 3.4%)
3/22(金)23:00 2月中古住宅販売件数(年率換算件数)(前回値 494万件、今回予想 511万件)
3/22(金)23:00 1月卸売在庫(前月比)(前回値 1.1%)
3/22(金)23:00 1月卸売売上高(前月比)(前回値 -1.0%)
3/22(金)27:00 2月月次財政収支(前回値 87億ドル)

→今日の米ドル円FX レンジ予想

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