本日の日経新聞のWEB版の記事にカン・チュンドさんのインタビュー記事が載っていて、その中でウィルシャー5000(wilshire 5000)について触れられていました。
ちょうどいい機会ですので、世界の株価指数シリー第1弾として、米国の有名な株価指数であるウィルシャー5000(wilshire 5000)を解説します。
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【世界の株価指数】ウィルシャー5000(wilshire 5000)とは?
ウィルシャー5000(wilshire 5000)とは、米国(アメリカ)の株式市場全体と連動を目指しているインデックス指数です。
正式名称は、ウィルシャー5000 トータル マーケット インデックス(wilshire 5000 total market index)と呼ばれています。
ウィルシャー5000(wilshire 5000)は、米国のウィルシャー・アソシエイツ社が算出している株価指数でニューヨーク証券取引所とアメリカン証券取引所(NYSE MKT LLC)、ナスダック(NASDAQ)で取引されている米国に本社を置く会社の普通株式すべてを対象としており、米国で一番広範囲にわたる株価指数(インデックス)となっております。
日本での東証1部、東証2部、ジャスダック、マザーズの全銘柄を対象としているようなイメージです。
有名な米国の株式指数の対象としている銘柄数を比べると
指数 | 会社数 |
NYダウ | 30 |
S&P500 | 500 |
ウィルシャー5000 | 5000 |
NYダウやS&P500などよりウィルシャー5000の方が、かなり多くの会社を対象としていることがわかります。
ウィルシャー5000(wilshire 5000)をベンチマークにした投資信託・ETF
残念ながら、日本で販売しているウィルシャー5000を直接ベンチマークにしているETFは見つけられませんでした。(情報あればコメントいただければと思います)
過去にベンチマークしていて、現在も似ている指数である CRSP USトータル・マーケット・インデックスへの連動を目指しているETFを紹介します。
バンガード・トータル・ストック・マーケットETF
バンガード社から発売されている超低手数料の米国株式市場全体へ投資できるETFです。
管理手数料が、驚きの0.05%です。
●バンガード・トータル・ストック・マーケットETF 基礎情報
ベンチマーク | CRSP USトータル・ マーケット・インデックス |
基準価額[米ドル] | 108.85 (2016/06/08) |
直近分配金[米ドル] | 0.48 (2016/03/15) |
分配利回り | 1.87% |
管理手数率 | 0.05% |
配当スケジュール | 四半期毎 (3月、6月、9月、12月) |
ETF純資産総額 | 587.49億米ドル(2016/3/31) |
設定日 | 2001年5月24日 |
投資銘柄数は、3,682で、ここまで米国株式に広く投資できるETFは、他にはありませんので、米国株式全体に投資したい場合は、バンガード・トータル・ストック・マーケットETFを買うべきでしょう。
2001年に5月24日に設定されて以来のリターンは、 年率5.86%ですので、リーマンショックをはさんでいることを考えるとかなり成績のよいETFです。
●トータルリターン(年率) 2016/06/10
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | |
市場価格(%) 外貨ベース | -0.28 | 10.75 | 10.5 | 6.99 |
市場価格(%) 円貨ベース | -10.84 | 14.27 | 16.78 | 6.29 |
米国の株式に分散投資するときは、候補になるETFです。
参照:バンガード・トータル・ストック・マーケットETF
(PDFが直接開きますので注意してください)
余談ですが、バンガード・トータル・ストック・マーケットETFは、2004年までウィルシャー5000をベンチマークにしていましたが、その後、2回変更して現在に至ります。
インデックス指数は、各会社が算出しており、著作権を持っているので、それに連動するETFを発売するときは、指数を出している会社にお金を払わなければなりません。
その負担が、バンガード社やアイシェアード社などのETF販売会社の管理手数料の中に含まれていますので、同じようなオンデックス指数があれば、変更して、管理手数料を下げる努力をすることがあります。
バンガード・トータル・ストック・マーケットETFは、そのような理由でベンチマークのインデックス指数を変更しています。
ウィルシャー5000(wilshire 5000) チャート
●ウィルシャー5000 1979年11月30日~2016年6月8日のチャート
1979年からのプライスチャートです。
1979年11月30日では、1075.40だったウィルシャー5000が、2016年6月8日には、21809.60となっています。
指数の動きとしては、S&P500に近い動きとなっていますが、S&P500より若干上回っています。
S&P500にない小型株が、上昇しているのだと思われます。
ウィルシャー5000(wilshire 5000) まとめ
世界の株価指数第1弾のウィルシャー5000(wilshire 5000)は、みなさん知っていましたか?
ウィルシャー5000(wilshire 5000)は、一番広い範囲で米国の株式に連動している指数です。
米国株式の市場全体の動きを見るには、ウィルシャー5000が一番あっているのではないでしょうか。
日本でも同じような考え方の指数が望まれますが、今のところ存在しません。
ちなみにウィルシャー5000からS&P500の銘柄を除いた指数をウィルシャー4500といって、米国の小型株のベンチマーク指数として活用されています。
今後、不定期ではありますが、世界の株価指数をいろいろと紹介していきたいと思います。