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【10月31日 ドル円予想の根拠】FOMC後ひとまず円高、今夜また解釈一変の可能性も
今日までのFX市況を、ドル円予想レポート有料版の予想結果と照らし合わせて解説、また今日31日のドル円相場予想を行います。
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昨日の市況 ダイジェスト
昨日30日(水)のドル円相場は、APEC中止で米中通商交渉先行き不透明感へ意識が向かったことや、FOMCでのパウエル会見を経て結局は追加利下げ可能性が確認されたことがレートの重しとなり、FOMC中の一時的な急騰による高値109.28円から安値108.72円のレンジでの推移となりました。
(USD/JPY ~10月31日、15分足)
FOMC控え日中は小動き
昨日東京時間、108.88円でオープンしたドル円は、昨夜予定されていた米FOMCや米GDPを控えて様子見の展開が顕著となり、日中はごく狭い値幅で横ばいの推移が継続しました。
夕刻以降のロンドン時間も、やや下押した108.84円でオープンしたものの、狭い値幅での横ばい推移が継続し、同水準のままNY時間へと渡りました。
NY時間に重要イベント続き高下
NY時間には、大きなイベントが続きました。
まず、米中が第一段階の合意署名に至るはずだった11月のAPEC首脳会談が開催国チリの意向でキャンセルされたとの報道が出たことで、市場では米中通商交渉について継続していた先行き不透明感へ意識が向き、一時108.79円まで円高方向へ振らされました。
続いて、FOMCで政策金利が発表となりました。ただこちらは、0.25%の利下げとなるも予想通りでレートは織り込み済みであり、発表後は反応薄でした。
しかし、続くパウエル会見では、会見内容が利上げ打ち止めを示唆するものと解釈され一時は高値109.28円まで上げたものの、その直後、「会見内容はむしろ今後の利下げ余地を示唆するもの」との解釈が優勢となり、米長期金利が下落、ドル円レートも安値108.72円まで反落したのち、108.85円まで戻して昨日の取引を終えました。
こうしたなか、昨日のアナリスト予想を集計した結果では、米中協議で一部合意の先延ばし懸念が浮上していたことや、FOMCで追加利上げ観測が高まることでの円高予想が優勢であったことが、昨日配信のドル円アナリスト予想まとめレポート有料版にて指摘されており、こちらが的中する結果となっています。
今日のドル円予想と主要材料
今日のドル円相場では、FOMCパウエル会見に対する解釈がアナリストから材料視されているほか、今夜発表の米個人所得・PCEデフレータなど経済指標が、米金利見通しに大きな影響をおよぼす可能性があるとして注目を集めています。
一転二転のパウエル会見解釈、今後はどうなる?
昨夜のパウエル会見内容に対する市場の解釈は一転二転しており、今日までの流れでは
1. 当初は、利下げ打ち止め観測台頭(→円安)
2. その後、利下げ可能性ありとの観測浮上(→円高)
となっています。
本日の東京時間の市場でも、引き続き「利下げ可能性あり」との解釈が継続しており、レートには円高圧力がかかっていると見られますが、一方、今日のアナリスト予想には、やはり利下げ打ち止めとの見方が再び優勢となるとの見方から、これから円安圧力が高まるとの見解も見られています。
というのも、今年の3回の米利下げの根拠となっていた
・米中通商摩擦問題
・英EU離脱問題
という2つの大きなリスクについて、いずれも(長い目で見れば)先行き懸念が後退してきているためです。
米中問題は両国が合意へ向けようやく具体的な動きを見せており、英離脱についても「合意なき離脱」回避への道筋がようやく示されてきています。これを背景とすれば、FRBが今後の景気下振れへの警戒感を解き始めている可能性も強まっていると言えます。
そして、このことから、昨夜のパウエル会見の内容は、けっきょく利下げ打ち止めと解釈できるのではないか、というのが、こちらのアナリストの見解となっています。
こちらのアナリスト見解のような「米利下げ打ち止め解釈」が今夜のNY市場で台頭してくれば、レートは円安側に振れる可能性が強まります。しかし、現在(東京時間オープン後)継続している「米利下げの余地ありとする解釈」がこのまま続けば、レートは円高傾向が続く可能性があります。
この、今日のドル円相場に関する円安・円高予想で、アナリストらの支持はどちらが多いか、その調査結果は、本日配信分のドル円アナリスト予想まとめレポート有料版にてご確認いただけます。
今夜も米で重要指標、利下げ観測に強い影響も
また、同じく米利下げ見通しに影響するものとして、今夜発表予定の米重要経済指標の結果見通しも、アナリストらの高い関心を集めています。
今夜21時台からは、米で重要な経済指標がいくつも発表予定となりますが、そのうち米・個人所得や米・PCEデフレーター、米・シカゴ購買部協会景気指数といった経済指標は、今日のアナリスト予想で重要材料として言及されており、結果見通しに注目する必要があります。
現在のところは、これらのどの指標も、市場予想ではさほど大きな変動はないものと見られていますが、実際の結果が予想を大きく下振れれば米利下げ見通しの強まりで円高、逆に予想を大きく上振れれば円安に振れる可能性がたかくなります。
これらの3つの米指標に関し、今日出てきているアナリスト予想の集計結果は、本日配信分のドル円レポート有料版にてご確認いただけます。
なお、このほかにも、今週はとくに重要な経済イベントや経済指標発表が多く控えています。これらも、結果が悪化なら米利下げ観測増で円高、改善なら米利下げ観測後退で円安、の可能性が強まることになります。
31日(水) 米・個人所得、PCEデフレータ、シカゴ指数
1日(金) 米・ミシガン大消費者態度指数
これらの経済イベントが何日の何時ころに材料視され、それぞれが円安・円高のどちらに影響する見込みか、FXアナリストらの事前予想を集計し、最も優勢なドル円アナリスト予想を解説するレポートは、こちらからご購読いただけます。
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