先週のトルコリラ円相場を振り返りつつ、今週8月6日から8月10日までのトルコリラ円レート週間見通しを発表します。
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先週のトルコリラ円振り返り
先週のトルコリラ円は軟調な展開のまま下落しました。
取引レンジは21.79円から22.90円でした。
先週のトルコリラ円の動きとしては、記録的なインフレのなかエルドアン政権による中銀への利下げ圧力が深刻な経済先行きへの懸念を呼んでおり、さらには、2016年にクーデター未遂事件への関与の疑いで軟禁中のアメリカ人牧師の問題をめぐる米国との対立深刻化、それによる米の経済制裁、そしてエルドアン大統領による報復宣言などが並び、トルコリラへの強い下押し圧力となっています。
トルコリラ円は週初に小幅に上げたほかは一貫して下落基調にあり、週末の終値も過去最安値を更新しています。
このところは観光シーズンに入っており、トルコリラ安とエルドアン政権の観光推進政策により、トルコの観光収入は歴史的な水準で増加していますが、観光シーズンが一服するとリラ需要はさらに落ち込むと考えられます。
今週のトルコリラ円見通し
今週は、夏休み期間ということでトルコリラの急激な動きは生じない可能性があります。
とはいえ、夏を過ぎれば、あとは年末に向けてさらなるトルコリラ安が見込まれます。
人口ボーナス期にあるトルコは、長期的な先高感は払拭されていないものの、中期的にはトルコのデフォルト突入も視野に入れるべきで、その際にはトルコリラ円も現在の20円前半のレンジから10円台まで下げる可能性も考慮に入れる必要があります。
今週のトルコリラ円レンジは、20.6円 – 22.6円を予想します。