政策金利の大幅な引き上げで、先週は一時急上昇したトルコリラ円ですが、今週に入り再び下落、18日11時現在は、利上げ前のレンジ付近まで戻っています。
先週のトルコリラ円相場を振り返りつつ、今週9月17日(月)から21日(金)までのトルコリラ円レート週間見通しを発表します。
先週のトルコリラ円振り返り
先週のトルコリラ円は、高値18.565円から安値16.940円の取引レンジで、前週末比では上昇しました。
こちらは、先週10日(月)から14日(金)までの2時間足チャートとなります。
13日(木)に予定されていた政策金利発表をにらみ、トルコリラ円はそれまで17.2円前後の下値圏を小動きで推移していました。
今回の政策金利発表は、高水準なインフレが進行するなか、トルコ中銀が独裁政権からの圧力に屈せず、利上げで対策を打てるかどうかが焦点でした。
結果は利上げでトルコ中銀の独立性が保たれたかたちとなり、また前回値17.75%から24.00%へと、+6.25%もの大幅な利上げが実施されたことを市場は好感、利上げ発表後には一気に18円を上抜けて高値圏で週を引けました。
今週のトルコリラ円見通し
今週のトルコリラ円は、週頭17日(月)に急落、そのまま軟調に推移しています。
急落の原因としては、トルコ・エルドアン大統領による経済介入の懸念が高まったことがあります。
17日、トルコで独裁体制をしくエルドアン大統領は、トルコ国内銀行の最大手であるトルコ勧業銀行に対し、「最大野党が保有する株式は、政府に移管すべきだ」と主張しました。
発言の意図を読み取るのは難しいものの、市場は大統領によるトルコ経済への介入を懸念し、トルコリラ円は再び17円台へ急落、そのまま続落しています。
先週には利上げで急上昇していたところに、きのう17日には、トルコ・エルドアン大統領とロシア・プーチン大統領の二者会談がロシアのソチで行われ、アサド政権と反体制派の激しい戦闘にあえぐシリアにて非武装地域(DMZ)を設けて両勢力の衝突を緩和させることで合意し、トルコリラにとっては好材料が続いていた矢先でした。
今週のトルコ経済イベント
今週は、17日にトルコ6月失業率が発表され、前回値9.7%に対し結果は10.2%と悪化しました。ただ、市場の反応は限られました。
今週の目玉としては、20日(木)に、トルコ経済中期計画の発表が予定されています。現在進んでいる高水準なインフレに対し、どのような対策が取られるのかが注目されます。
その他、今後の主な経済イベントは以下のとおりです。
18日(火)20時半 トルコ7月住宅価格指数(前年比)
19日(水)16時 トルコ8月住宅販売(前年比)
20日(木)トルコ経済中期計画(アルバイラク財務相による)
今週のトルコリラ円レンジは16.20円 – 18.70円を予想します。