今週のトルコリラ円レートは、中期的には比較的地合いの良い状況とはいえ、今日13日早朝に出たサウジ原油減産発言により原油輸入コスト増大の懸念が浮上し、やや軟調な展開になってきています。
今日までの動きを振り返りつつ、今週のトルコリラ円レート見通しを発表します。
今週のトルコリラ円概況
今週のトルコリラ円レートは高値20.958円から安値20.665円のレンジで推移しており、前週終値比では小幅に上昇しています。
先週の振り返り
先週のトルコリラ円レートにつき、週初には米主導のイラン制裁参加国からトルコが除外されたことが材料とされ、原油輸入コスト増での経済見通し悪化懸念が払拭されたことにより、一時急上昇しました。
しかし、週中盤のCPI悪化発表によるインフレ懸念とムーディーズによるトルコ経済縮小見通しが重しとなり、週間の上げ幅をほぼ帳消しにして小幅高で引けました。
今週のトルコリラ円動向と材料
今週に入ってからのトルコリラ円レートに関し、きのう12日(月)にはトルコ・経常収支が発表され、内容は前回値25.9億ドルに対し結果18.3億ドル(予想19.4億ドル)と低水準なものとなりましたが、市場の反応は限られたものでした。
しかしその後今日13日(火)の早朝には、サウジアラビアのエネルギー産業鉱物資源相より、エネルギー市場の状況をふまえた原油減産の考えが出されたことで、供給減・価格高騰・輸入コスト増大を警戒する見方から、トルコリラ円がやや軟化しました。
ただ、こちらによる下落幅は小幅と言え、レートは今日午後になってやや持ち直しています。
このほか、トルコ関連のニュースとしては、このところ世界中から注目を集めるトルコ人記者殺害事件に関し、エルドアン大統領が関係五カ国に事件当時の音声データを公開したこと、またエルドアン大統領と米トランプ大統領との会談のニュースもありましたが、いずれも相場への影響は軽微でした。
今週のトルコリラ円レート見通し
今週は、15日(木)にトルコ・失業率の発表が控えていますが、前回値10.8%に対し今回予想11.2%と悪化予想で、予想通りとなった場合は、トルコリラ円レートが下押す可能性があります。
少し引いた視点から見てみると、トルコリラ円レートは、今年9月からほぼ一貫して上昇傾向にありました。内容としては対米関係改善の兆しなどがあり、現在も中期的には地合いがよい状態と言えますが、21円を挟んで一度押し戻された今週あたりで一度下落に転じ、足場固めの時期に入る可能性もありそうです。
トルコリラ円 今週のイベントスケジュール
トルコリラ円に関する今週の経済イベントは、下記が予定されています。
15日(木)16時 8月失業率(前回値10.8%、予想11.2%)
16日(金)16時 9月鉱工業生産(前月比)(前回値-1.1%、予想0.3%)