2018~19年インドルピーFX予想/原油安が味方に?見通し解説とおすすめトレード法

FX取引で、凄まじい経済成長率を誇る国の通貨として注目されつつあるのが、インドルピーです。

世界有数の人口と経済成長率を誇るインドで流通する通貨が、このインドルピーです。きわめて独特な文化を持つ国として知られている一方、近年のモディ首相による経済改革の効果はめざましく、トルコや南アフリカといった新興国と同様、将来性において熱い視線を浴びる通貨です。

この記事では、インドルピーの特徴はどのようなものか、どういったトレードが向いているのかなど、インドルピーFXのコツを優しく解説します。

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インドの概要 – 世界最大級の大国

インドは、南アジア最大級の国土面積を誇り、また12億人にのぼる世界第二位の人口を誇る大国です。

実に多様な民族と言語、そして宗教が混在しており、インド紙幣には、公用語とされるヒンディー語を含む17もの言語が印刷されていることも知られています。

議会制民主主義を採用しており、有権者の数は8億人と、こちらは世界最多となっています。

インドの経済 – 凄まじい経済成長率

たいへん長い歴史を持つインドは、様々な民族の統治を経て、19世紀末にイギリスの植民地となり、その後20世紀中盤に独立しています。

12億人という巨大な市場を抱え、また日本企業を筆頭とする多くの世界企業の自動車工場を有しており、凄まじい勢いで経済成長を遂げています。

経済成長率 – 世界平均の2倍以上

インドのGDPは2016年時点で2.6兆ドルと、中国の20%、アメリカの10%ほどです。

しかし、このところのインドの経済成長率は、2016年が6.8%、2017年が6.68%、2018年が7.30%見込み(IMF推計)と、いずれも7%前後の水準で推移しています。

これは、世界の成長予測が平均で3%ほどであることを考えると、その2倍以上となる著しく高い水準であると言えます。

経済政策 – モディ政権が進める多数の改革

現代インド経済を語るうえで重要なのが、現首相のモディ氏によるいくつかの経済政策です。

最も知られるのが、「メイク・イン・インディア」です。2014年から開始されたこの政策は、製造業に力点を置いて雇用創出と輸出強化を行うというものであり、それに準じて外資規制の緩和(外貨獲得)、インフラ整備も進んでおり、実際に多くの効果を生んでいます。

このほか、国内の全ての村や学校にブロードバンド回線を配備し、行政サービスの電子化を行い、またサービス強化を通じ2000万人近い雇用創出を行う「デジタル。インディア」、全国に100万個のトイレを新設する「クリーン・インディア」、国民の資産安定化や年金取得の確実化をはかる「ジャン・ダン・ヨジャナ(国民金銭計画)」など、モディ政権が実現している政策は枚挙にいとまがありません。

こうした改革が、インド経済の著しい成長を後押ししています。

資源輸入国 – 原油、金

現在は著しい経済成長を続けているものの、資源を持たず製造業基盤も発展途上であることから、インド経済はまだ盤石とはいえず、通貨ルピーも比較的ボラティリティの高い値動きを示します。

まず資源については、インドは資源を持たないために、原油などの資源を他国から輸入しています。そのため、原油価格の上昇はインドの財政をしめつけることにつながり、インドルピーの下落要因となります。

またインド特有の事情として、インドの国民が金の価値を重視しているという点もあります。

インドでは金を「保存性の高い財産」とみなす価値観があり、資産として金を買うほか、宝飾品として、結婚の際の贈り物として、また子孫への資産継承の手段として、金への高い需要があります。

そのため、金価格が高まると、輸入コストが高まり、インドの採算が悪くなります。なお現在のインドでは金の輸入を制限することで支出を抑制し、財政改善に成功しています。

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インドルピーの特性

高い成長率を誇りながらも、資源輸入国であることから安定性に欠ける、というところで、インドの通貨インドルピーは他の資源輸入国通貨であるトルコリラなどにも近い特性を持っています。

資源輸入国通貨、リスク資産

資源価格の上昇はインドルピーの重しとなり、資源価格の下落はインドルピーの支援材料になります。

たとえば最近の原油安はインドルピーにとって本来なら追い風です。

高リスク資産

ただし、ボラティリティが高くリスク資産とみなされることの多いインドルピーは、市場がリスクオフにむかっているときなど、資金がまわってこない傾向にあります。

そのため、インドルピーの支えとなるはずの原油安も、ゆきすぎると産油国(米、豪、サウジなど)の景気懸念を招き、安全資産(円など)に資金が向かうことで、けっきょくインド・ルピーから資金が引き上げられる(売られて下落する)ことになってしまいます。

適度な原油安は追い風に

2018年12月現在の程度(WTI原油先物が50円前後)の原油安なら、インドルピーにとっては追い風と言えます。

ただその一方で、原油価格とは別に景気後退懸念が市場に広がっているため、今年のインドルピーは上値の重い展開が続いています。

また、米国の原油輸出が増加しており原油安圧力になっている一方で、産油国間では減産協定が結ばれつつあり、こちらは原油高圧力となりそうです。現在のところ原油価格は一旦底を打っている状況ともいえ、これからの原油価格に注目が必要と言えます。

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FX通貨インドルピー – 潜在力とボラティリティ

先に述べたように、凄まじい経済成長率を保っている国の通貨であることから、今後のインドルピーは、長期的視野では上昇過程にある通貨と言えます。

ただ、他のリスク資産通貨であるトルコリラや南アフリカランドなどと同様、国内経済が(成長過程ではありつつも)安定しないという特徴から、ボラティリティは高くなっています。

現在スワップポイント取得は不可能

また、現在(2018年12月)インドルピーでスワップポイントを受け取れるFX業者は、国内では存在しません。

インドの政策金利は6.50%と、日本(0.10%)と比較して高水準ですが、スワップポイントが受け取れないために、そのうまみを享受できないのが残念なところです。

インドルピーに向いたトレード方法

したがって、ボラティリティを活用したうねり取りのトレード、または超長期投資を前提とした買い持ちが、ぱっと考えつくインドルピーに向くトレード方法と言えます。

ただし、他のリスク資産や新興国通貨と同様、レバレッジは低く、あくまで余裕資金でトレードするのが鉄則です。

なお、現在インドルピーを取引できる証券会社として、IG証券とOANDA Japanが上げられます。このうちIG証券は対円(インドルピー・円)、OANDA Japanは対米ドル(インドルピー・ドル)が取引可能です。

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2018年から2019年のインドルピー円見通し

2018年のインドルピー円レートは、世界景気減速懸念をうけてのリスクオフの流れから、軟調に推移しています。

・インドルピー円 週足(2018年)
chart1

ただ、2008年前後の世界金融危機(サブプライムローン危機)時に高値3.000円台から急落し、2012年に市場最安値1.400円周辺をつけたのち、インドルピー円レートは安値圏をさまよいつつも、小幅に下値を切り上げる展開となってきています。

・インドルピー円 月足(2008~18年)
chart2

今年2018年は1.560円周辺で推移しつつ、2019年には月足5本移動平均線が25本移動平均線を上抜け、1.900~2.000円まで上値を伸ばす可能性もあるでしょう。

インドルピー円FXとレンジ予想

FXトレードを行う際は、どういった形であれ、その通貨のレンジ予想、あるいはレート推移の予測を行う必要があります。

こうした際に力になるのが、様々なサイトや証券会社によるレンジ予想です。

ただ、様々な予想を見ていくと、それぞれの予想に幅があり、また外れることも少なくないことに気づき、「予想など意味がないのでは?」「外れる予想をしてなんの価値があるのか?」と考える人も出てきます。

しかし、レンジ予想をするということは、通貨レートを形作っている他の情報、たとえばその国の経済(ファンダメンタル)や、世界経済(マクロ経済)、あるいは相場の動き(テクニカル分析)を支援材料に、通貨の動き方の「ストーリー」を自分でつくっているわけです。

FX予想のための「ストーリー」づくり

そのストーリーに沿って通貨レートが動けばFXで利益が出て、ストーリーから外れてしまえば、利益が出ません。

だからこそ、このストーリーを作る経験値、つまりレート予想をする経験値を貯めていく必要があるのです。

自分なりにストーリーを立て、それに沿ってレートの将来を予想し、あたっても外れても、自分の予想のどこがよかったか、どこが間違っていたか、を反省して経験値を貯めていくことで、FXで増やせる利益が大きくなっていきます。

こちらには、日別のインドルピー円予想も公開されています。こちらを参考に、まずは自分でインドルピー円を予想するストーリーを作ってみましょう。

インドルピー円 今日のレンジ予想 INR/JPY

 

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