先週のトルコリラ円相場を振り返りつつ、今週7月30日から8月3日までのトルコリラ円レート週間見通しを発表します。
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先週のトルコリラ円振り返り
先週のトルコリラ円は下落、22.5円から23.0円のレンジで軟調に推移しました。
先週7月24日(火)、トルコ中央銀行の金融政策決定会合が開かれ、17.75%の政策金利に対し1.00ポイントの利上げが行われるとの市場予想が立っていましたが、結果は据え置きとなりました。
これに対し、市場は失望売りで反応、トルコリラは対円でも対ドルでも下落しました。この際、トルコリラ円は史上最安値を更新しました。
トルコ中央銀行は、インフレ圧力は意識しつつも、国内の需要の勢いが後退している事に触れ、このたびの金利据え置きの裏付けとしました。ただ一方では、再選を果たして以来懸念されてきたエルドアン政権の利下げ圧力(金融政策への介入)が存在したのではないかとの見方も出てきました。
今週のトルコリラ円見通し
今週は、6月貿易収支および7月消費者物価指数(CPI)の発表に加え、8月3日にはトルコ中銀によるインフレ報告書の発表が予定されています。とはいえ、日本や米国、ブラジルなどでも金融政策決定会合があり、トルコへの注視度合いはやや抑制されると見られます。
一方で、トルコが2016年からスパイ・テロリズム容疑で収監してきた米国人牧師のブランソン氏に関し、米国側が開放に向け圧力をかけている問題も材料となります。
これまでは、まず米トランプ大統領がツイッターにて解放を促す発言を行ったのち、先週25日には、トルコ政府によりブランソン牧師が収監から「自宅軟禁」へと移されたとの発表がありました。しかし「解放」にはまだまだ至っておらず、26日には米ペンス副大統領から、「解放しなければトルコに制裁を行う」旨の警告が発されています。
収監から自宅軟禁への移行は一時的にトルコリラ上昇の支えとなったものの、ペンス副大統領の発言でさらに対米関係の悪化が意識され、トルコリラは対米ドル・対円とも下落となっています。こちらの米国人牧師に関する問題の進展次第では、トルコリラはさらに下押す可能性があります。
今週のトルコリラ円は、22.0円から24.0円を予想します。