トランプ大統領のトルコへの関税をきっかけにトルコリラが急落して、有事の円買いで円高になっています。
南アフリカランドも下落する中で今後、ドル円為替はどうなっていくか考察します。
トルコリラショック!南アフリカランドも急落!トランプ・リスク
トルコリラが急落していて、史上最安値を更新しています。
13日の早朝、一時15円台後半となり、10日の夜につけた16円前半の史上最安値を更新しました。
急落する前の7月後半は、23円を中心に推移していましたので、約半月で30%以上の下落となっています。
○トルコリラ チャート 15分足
チャートを見てみると週明けの今日の朝に一気に急落しているのがわかります。
これは、リスク回避の円買いだけではなく、週明けに下落したことでFXでの損切りの強制決済も影響があると思われます。
トルコリラは、FXでは高金利通貨として人気があり、トルコリラを買って、スワップポイントと呼ばれる利息のようなものを受け取るというトレードしている人たちが、急落により証拠金が足りなくなり、FX会社によって強制的に決済させられて、トルコリラを売って、円を買うという取引がなされたことで、ますますトルコリラが下落して行きました。
南アフリカのランドも珍しくアジア時間に急落しています。
○南アフリカ ランド チャート15分足
南アフリカ ランドも13日の10時ごろから急落していて、一時7.1円前後と先週末から10%近く下落しました。
南アフリカランドは、日本時間の夕方から朝にかけて動くことが多く、日本の取引時間にこれだけ多く動くことは直近だと珍しいことと言えるでしょう。
これもFXの強制決済の影響があり、南アフリカランドを買っていた人たちが下落によって一気に強制決済されたことで大きく動いていると思われます。
14時現在では、朝の安値よりトルコリラも南アフリカランドも戻ってきています。
今回のトルコリラ急落は、10日にトランプ大統領がTWITTERで「トルコへの鉄鋼とアルミニウムの関税を2倍に引き上げる」と投稿したことがきっかけで18円台後半から16円台まで20%程度下落したことがきっかけです。
トラップ大統領の強硬姿勢が、政治的、経済的な不安定を招いて、リスクオフとなり新興国から資金を引き上げることにつながっています。
今後、どこまで円高になり、トルコリラは下落するのでしょうか?
トランプリスクでどこまで円高?トルコリラはどこまで下落するのか?
今回のリスク回避の円買いはどこまで円高になるのでしょうか。
そもそもトルコとアメリカは、最近は対立を深めていて、トルコでのクーデター未遂で捕まった米国人宣教師の開放を求めるトランプ大統領が、政治的、経済的に圧力を強めているという背景もあります。
トランプ大統領の支持基盤のキリスト教福音派の宣教師だったことで中間選挙に向けてのアピールもあります。
中間選挙までは、トランプ大統領はトルコに対して強気の態度を崩さないと思われますので、11月までは、リスクを孕んだままということになります。
中期的には、11月まではトルコリラで下落リスクが有り、円高になりやすい地合いとなると思われます。
直近では、FXの強制決済が明日まで行われる可能性があります。
FXでは証拠金を1日程度の間に入金すると強制決済が行われない会社もあり、明日にかけて、証拠金を入金せずに強制決済が行われる人たちが一定数いると思われますので、ここから一段安になるリスクがあります。
トルコリラ円は、明日も強制決済が行われた場合は、0.6円~0.8円ほど下落して、15円台で推移する可能性があります。
ドル円は、その影響で0.5円程度円高が進むと見られ、109円台になると思われます。
110円を割り込んでくると下値メドは、6月25日の安値109.3円で、それを下回った場合は、5月29日の安値108.1円程度まで下落する可能性があります。
まずは、110円を維持できるかどうかが、下落トレンドから回復できるかどうかの目安になりそうです。
中間選挙までは、トランプ大統領のTWITTERによる口撃が出やすいので、不安定な動きをしそうですので、注意が必要です。