今週のトルコリラ円レートに関しては、トルコに拘束中であった米国人牧師が先週末ついに解放されたことを受け、この2ヶ月来の高値圏である19円近辺で推移しています。
先週の動きを振り返りつつ、今週のトルコリラ円レートについての見通しをまとめます。
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先週のトルコリラ円概況
先週8日(月)から12日(金)のトルコリラ円は、高値19.255円から安値18.329円の取引レンジで推移し、週末11日から12にかけて急上昇しました。
先週前半:ついに米牧師解放、急伸し19円突破
まず先週前半の週初から10日(水)にかけて、材料を欠いたトルコリラ円レートはほぼ横ばいに推移しました。
なお週初8日には、サウジアラビア政権に批判的な記者が在トルコのサウジ領事館で殺害された可能性について報道が出ました。国際的には大きなニュースながら、トルコリラ円レートに関しては、この時点ではさほど材料視はされませんでした。
先週後半:米国人解放で19円周辺まで上昇
先週後半の11日から12日にかけ、かねてからトルコリラの重しとなっていた米国人牧師拘束問題に関し、牧師ブランソン氏解放への機運が高まり、トルコリラ円レートは堅調に推移しました。
11日、ブランソン氏が翌12日の開かれる法廷喚問を経て解放されるのではないかとのニュースが、米大手放送局NBCにて報じられました。これを受け、トルコ・米間の関係改善や、それに続く米からの経済制裁の緩和といった見通しが出たことで、トルコリラは買い優勢となりました。
そして12日の日本時間22時頃、ついにブランソン氏の釈放が報じられました。これとともにトルコリラ円は「事実で売る」展開となりいったん下落、しかし18.730円で持ちこたえて反発、週末には19円を上抜け19.091円で引けました。
今週の見通し:経済イベント多発で要注意
今週15日(月)に入ってからのトルコリラ円レートは、高値19.058円から安値18.915円のレンジで、ほぼ横ばいに推移しています。
15日の15時現在、米・欧市場のオープン前で薄商いのなか、トルコリラ円レートは先週終値の19円周辺で方向感なく推移しています。
とはいえ、きょう15日の午後16時には、トルコの雇用統計が発表、また21時半には米国で小売売上高が発表予定となっています。いずれも高い水準となった場合はトルコリラからの資金流出が考えられ、要注意のイベントとなります。
また今週は、米国で数多くの重要経済指標が発表されます。米国が好調な場合はやはりトルコリラから資金が流れる可能性があり、注意が必要です。
今週の経済イベント(トルコ・米国)
今週の経済イベントは、次のとおりです。
15日(月)16時 トルコ・雇用統計
15日(月)21時半 アメリカ・製造業景気指数(前回19.0、予想20.5)
15日(月)21時半 アメリカ・小売売上高(前回0.1%、予想0.7%)
16日(火)16時 トルコ・鉱工業生産指数(前回3.5%、予想-2.0%)
16日(火)22時過ぎ アメリカ・鉱工業生産指数(前回0.4%、予想0.3%)
17日(水)5時 アメリカ・対米証券投資
17日(水)21時半 アメリカ・住宅着工件数(前回128.2万件、予想121.8万件)
17日(水)21時半 アメリカ・週間石油在庫統計
18日(木)3時 アメリカ・FOMC議事録
18日(木)21時半 アメリカ・新規失業保険申請件数
18日(木)21時半 アメリカ・フィラデルフィア連銀景況指数(前回22.9、予想21.0)
19日(金)23時 アメリカ・中古住宅販売件数(前回534万件、予想531万件)