【今週のドル円予想根拠】米中見通し不透明も、市場心理底堅い(9月2日〜6日)
このページの目次
今週9月2日〜6日のドル円レンジ予想平均値
104.74 – 107.44
(11社平均、3日9時時点)
先週の回顧:トランプ相場乱高下からいったんの落ち着きへ
先週のドル円相場は、乱高下からいったんの落ち着きを見せる展開となりました。
週初、米中関税応酬でリスクオフ強まる
週初26日に105円台中盤で始まったのち、米中の追加関税応酬が明るみに出たことでリスクオフが強まり、週安値104.40円台まで下落しました。
これは先週末高値106.70円台から2.00円以上の大幅な円高となっています。
週中盤にかけトランプ相場で乱高下
しかしその後、トランプ米大統領から「中国から貿易交渉再開の打診で電話を受けた」との発言が出るとリスクオフ巻き戻しで106円台まで急激に戻し、しかし中国からは「そのような内容は認識していない」とのコメントが出たことでドル買いが抑制されるなど、市場はいわゆる「トランプ相場」で乱高下の様相を呈しました。
週末、上値重く上げ渋り
先週中盤以降は、英EU離脱問題に関してジョンソン英首相から議会休会要請が出たとの報道やイタリア政局不安など、欧州からの悪材料でさらに上値が重くなるも、週後半には中国から「米にこれ以上の報復措置取らない」との示唆が出るなどで見通しがやや改善、週高値106.60円付近をつけたのち上げ渋って週の取引を終えています。
スポンサーリンク
先週末のアナリスト予想と結果:心理改善も円高予想的中
先週末8月30日のアナリスト予想集計結果レポート(ドル円予想レポート 有料版)では、集計対象となったアナリスト予想の中でも米中対立懸念が継続し円高圧力となるとの予想が最も多く言及されていたことから、これを最重要材料とし、「30日は円高予想が最有力」と解説していました。
そして実際には、米中対立改善へ期待感がやや出ていたにも関わらず、結局米中対立に起因する景気見通し悪化への警戒感が競り勝ちとなったかたちで、30日のレートは最終的に円高に推移して引け、アナリスト予想集計結果は的中したかたちとなりました。
スポンサーリンク
今週の見通し:リスク立ち込めるなかの米利下げ観測に注目
今週の相場に関しては、いぜん上値の重いなか、米中対立問題に関していくつかのトピックが進展を見せることで、関連ヘッドラインに反応してレートが高下する展開となりそうです。
米中対立続報と景気見通し悪化のヘッドライン
さる9月1日(日)に米が対中追加関税第四段を発動し、また同時に中国も、同日対米報復関税を発動したことで、米中貿易摩擦問題の長期化は避けられないとの認識がコンセンサス化しつつあります。
両国間では、9月上旬にワシントンで閣僚級協議を設ける見込みと報じられていますが、過去にも幾度となく対話が行われては見通し改善と暗転が繰り返されてきたことから、市場ではいぜん不透明感の強さが指摘されています。
また一方では、米中はじめ各国の経済指標に、米中貿易摩擦の影響が如実に出始めており、世界的な景気減速への懸念も顕在化してきています。
スポンサーリンク
今週のドル円材料とアナリスト予想集計結果
今週のドル円に影響を及ぼしそうな材料は、米中対立問題に関する進展、ならびに米金利見通しの変動と、その一方で浮上してきた市場のリスク耐性、それを下支えする可能性がある各経済指標の予想と結果となります。
この中で、アナリストらが日々もっとも注目する材料がどれであるか、またそれによってどの程度の変動が予想されるかを集計した結果は、毎日配信の下記のレポート(有料版)にてご確認いただけます。
→ 今日のドル円 アナリスト予想まとめレポート【毎日配信中】
アナリストが言及する今週の主なドル円材料
市中のアナリストらが言及する、今週の主なドル円材料は、次のリストをご覧ください。
継続するリスク
・米中対立問題に付き見通し不透明
・米大幅利下げ観測
・米中対立や米利下げにかかわるトランプ不測言動リスク
・9月に予定される米中協議の実現可否
3日(火)
23:00 米・8月ISM製造業景況指数
4日(水)
21:30 米・7月貿易収支
27:00 米・ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
5日(木)
21:15 米・8月ADP雇用統計(前月比)
21:30 米・前週分新規失業保険申請件数
22:45 米・8月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)
22:45 米・8月総合購買担当者景気指数(PMI、改定値)
23:00 米・8月ISM非製造業景況指数(総合)
6日(金)
21:30 米・8月失業率
21:30 米・8月平均時給(前月比)
21:30 米・8月非農業部門雇用者数変化(前月比)
21:30 米・8月平均時給(前年同月比)
25:30 米・ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
これらの各経済指標の、アナリストらによる結果予想は、下記の有料版レポートにてタイムテーブル化されており、毎日最新の結果予想を一覧できます。
→ 今日のドル円 アナリスト予想まとめレポート【毎日配信中】
おすすめ記事