3月のコロナショックから5カ月が経過しました。コロナショックはリーマンショックと比較されるケースも多いのですが、今回はドル円の値動きについてリーマンショック後とコロナショック後を見比べてみました。
ドル円と相関する値動きを見せる日経平均の値動きも加味した上で、今後のドル円の動きを予想してみました。
リーマンショック後とコロナショック後のチャート比較
下記にリーマンショック後1年のチャートと、コロナショック後の現在までのドル円と日経平均を重ねたチャートを取り上げました。
最初はリーマンショック後の、2008年9月15日~2009年9月14日までのドル円(ローソク足)と日経平均(ライン)のチャートです。
リーマンショックのあった2008年9月15日以降は、2009年3~5月と2009年7月以降を除けば、概ねドル円と日経平均の相関する値動きが見られます。
2020年3月のコロナショックから5カ月が経過しましたが、ドル円と日経平均は逆相関→相関→非相関、とめまぐるしい変化を見せています。
一般的に、ドル円と日経平均は相関する値動きを見せる、といわれます。しかし特にコロナショック後のチャートを見ると、相関する値動きを見せない期間も存在する、ということが分かります。また両者の価格の乖離幅が広がると乖離が縮まる傾向にある、ということも分かります。
ドル円と日経平均の関係性から考えられる今後のドル円の値動き
現在のドル円と日経平均は大きな値ザヤ(以下、サヤ)が生じている状態です。過去を見ると日経平均が戻るケース、ドル円が戻るケースの両者があります。よってどちらのレートが動いてサヤが縮まるのか、という点は簡単に判断できません。ただし殆どのケースで開いたサヤは縮小する傾向にあるため、いずれのタイミングでサヤが縮まる可能性は高い、と考えることはできます。
それを踏まえて今後のドル円の動きを日経平均との関係性で考えた場合、下記4つの考え方があります。
まず①ドル円が日経平均に向け上昇するケースです。その場合は、6月5日高値109.85円が意識される展開が予想されます。
また②ドル円と日経平均がともに上昇するケースもあります。その場合、ドル円の上昇が日経平均より大きくなりますが、両者の上昇によりサヤは縮小します。
次に③日経平均が下落してドル円とのサヤが縮小するケースです。本ケースではドル円が現状の105~106円台の値位置を維持したまま、日経平均が下落することでサヤが縮小するため、ドル円の値動きにそれほど変化はないと考えられます。日経平均はこれまで、米国株式市場の上昇を受けた値動きを見せています。よって米国株式市場が崩れれば日経平均も下落を余儀なくされます。ただし安倍総理の辞任により日経平均は急落しており、今後は相場環境が変化する可能性もあります。
最後に④日経平均及びドル円の両者が下落するケースです。安倍総理の辞任表明を受けて国内株式市場は下落しており、またドル円も下落しています。日経平均の下落が大きくなる必要がありますが、今後も両者の下落が続けばサヤは縮小することになります。
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まとめ
単純にリーマンショック後とコロナショック後のドル円の値動きを比較しても、チャートパターンの比較程度しかできることはありません。しかし日経平均を合わせて見ることで、今後の値動きを予想する有益な材料を得ることができます。
ドル円と日経平均の値動きは常時相関している訳ではないものの、相関と非相関が繰り返される傾向にあります。現在は非相関の関係にあり、またサヤが拡大している状態でもあります。今後両者がどのような値動きで相関関係を取り戻しサヤが縮小することになるのか、ドル円のみならず日経平均の動向にも注意する必要があるといえるでしょう。
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