先週は好材料に欠けるままにエルドアン大統領の経済介入やトルコ中期経済計画への懸念が重しとなって下落したトルコリラ円ですが、今週に入り対米関係の改善期待が生じ、24日に急伸、25日現在も高値圏を保っています。
先週のトルコリラ円相場を振り返りつつ、今週9月24日(月)から28日(金)までのトルコリラ円レート週間見通しを発表します。
先週のトルコリラ円振り返り
先週17日(月)から21日(金)のトルコリラ円は、高値18.595円から安値17.689円の取引レンジで推移、前週末比では下落しました。
・トルコリラ円チャート 17日~21日2時間足
(ちゃーと)
まず週初17日、トルコ円は急落で幕を開けました。トルコ・エルドアン大統領が、トルコ国内銀行の最大手であるトルコ勧銀に対して資産の一部を政府へ移管すべきと発言したことで、市場が大統領による経済介入の懸念を深めたことが原因となっていました。
下落は18日(火)から19日(水)の半ばまで続きました。これには、20日に控えていたトルコ・アルバイラク経済大臣によるトルコ経済中期計画の発表が内容を伴わないものとなるのではとの懸念も材料となったと見られます。
そして20日(木)のトルコ経済中期計画につき、発表直前は期待買いが出て一時18円前後まで上げたものの、実際の発表内容にめぼしい好材料は見られず、発表後は再び17.80円周辺まで戻されています。
そのままトルコ円は売り買い交錯気味で横ばいに推移し、前週比小幅下落で引けました。
今週のトルコリラ円見通し
今週のトルコリラ円は、週頭24日(月)の午前には横ばいで推移した後、夕刻になって急上昇し夜までに18円台を突破、25日14時現在は伸び悩んで18.20円台で売り買い拮抗の横ばいで推移しています。
・トルコリラ円チャート 21日(金)~25日(火) 1時間足
23日、トルコに拘束され対米関係悪化の契機となっていた米国人牧師ブランソン氏について、来月10月12日に開かれる裁判の際に解放される可能性が高い、との報道が流れました。
さらに24日にも同内容について続報が流れると、米・トルコ関係の改善期待から、トルコリラは急伸、24日深夜には今週高値となる18.543円まで上昇しました。
今週のトルコ経済イベント
今日25日には、国連総会でエルドアン大統領が演説を行います。
国連総会での各国代表による演説は、国際社会に対し各国が主張を行う重要な場として認識されており、演説内容は、このところ対ロシアで緊張を高める原因となっていたシリア問題についてのものとみられています。
また、明日26日には、米FOMC・米政策金利の発表が行われます。ブランソン牧師解放への機運が高まるなかで上昇しつつあるトルコリラ円ですが、米金利が引き上げられた際に起こり売新興国通貨からの資金流出など、警戒が必要と言えます。
その他、今週の主な経済イベントは以下のとおりです。
25(火)~27(水)国連総会(エルドアン大統領参加)
26(水)27時 米FOMC、政策金利発表
28(金)トルコ・ドイツ首脳会議、トルコ8月貿易収支
今週のトルコリラ円レンジは16.50円 – 18.90円を予想します。