【来週のトルコリラ円見通し】原油高で一時下落も週足は続伸!米と歩み寄りも支えとなるか(2018年11月19日~23日)

今週のトルコリラ円レートは、いくつかの好材料をこなしつつも、トルコ支出に直接影響する原油価格の上下に振らされる形で、週後半に大きく上下しています。

今日までの動きを振り返りつつ、今日および来週のトルコリラ円レート見通しとレンジ予想を発表します。

スポンサードリンク

今週のトルコリラ円概況

今週のトルコリラ円レートは、高値21.367円から安値20.603円のレンジで推移しており、前週終値比では小幅に上昇しています。

・トルコリラ円 1時間足(12~16日)

今週の振り返り

今週のトルコリラ円レートは、対米関係の改善、原油安によるトルコ支出減見通し、イラン制裁への参加要請除外などで好地合いが整うかと見えたものの、CPI悪化やトルコ経済縮小見通しの浮上などが重しとなり、週序盤は横ばいの推移となっていました。

そこへ、昨日15日(木)発表となったトルコ・8月失業率が11.1%と、前回値(10.8%)よりは悪化したものの、市場予想(11.2%)を下回ったのがきっかけで、トルコリラ円レートが一時上昇、さらにその後は、反発しかけていた原油価格が再び弱含んだのを支えに、一気にレートが急上昇しました。

原油、一時先高感もひとまず反落

レート急騰のきっかけとなった原油価格に関しては、今年10月から下落が続いていたものの、最大生産国であるサウジアラビアから先日減産の考えが出たことで、一転原油高となる懸念が出ていました。

これを受けての先高感から、原油価格レートも上昇しつつあったものの、16日未明には反落、これが市場の先行き懸念後退につながり、トルコリラ円レートの大きな支えとなったもようです。

・WTI原油先物 週足(2018年)

・WTI原油先物 1時間足(15日~16日)

今日のトルコリラ円レート 概況と見通し

今日16日(金)のトルコリラ円レートは、高値21.186円から安値21.013円のレンジで推移しており、前日終値比で小幅に下落しています。

16日未明までは、昨夜の失業率上振れや原油高懸念の後退を支えに上昇していたもの、高値21.133円をつけたのちレートは伸び悩み、さらに今日午後にかけては、原油が再び強含んだのを重しとして頭重く推移しています。

今日16日(金)は、日本時間16時に鉱工業生産の発表が控えています。こちらは前回値-1.1%に対し今回予想0.3%と、改善見込みとなっているため、発表後にレートがやや上伸する可能性があります。

ただ、一方では原油が強含んだまま推移しており、こちらがトルコリラ円レートの重しとなる可能性はありそうです。

・WTI原油先物 1時間足(15日~16日)

今日のトルコリラ円レート 見通し

今日のトルコリラ円レート見通しは、高値21.55円から安値20.55円のレンジを予想します。

今日のレンジ予想/トルコリラ円見通しと推移

スポンサーリンク

来週のトルコリラ円動向と材料

来週のトルコリラ円レートに関し、特段の経済イベントは予定されていません。

このほか、原油価格が強含んでいる現状はトルコリラ円レートの重しとなりそうですが、このところ続いているサウジ人記者殺害事件において、トルコが軸となっている状況などは、トルコリラ円レートの支えとなりそうです。

米国と距離を縮めつつあるトルコ

さらに、現在米に身を置くトルコ人指導者のギュレン氏に関し、トランプ政権がトルコへ身柄を引き渡す意向であるとの報道もあり、この裏にはサウジ事件に関してトルコと米国との間で何らかの交渉があったのではないかとの見方も出ています。

ギュレン氏の身柄をめぐってトルコと米国は互いに対立した見解をとってきており、これで身柄引き渡しとなった場合は、少なくともトルコと米国の関係においては、改善のしるしと捉えることができ、トルコリラ円レートの支えになりそうです。

また一方では、トルコの国営銀行であるハルクバンクがイランへの制裁に違反した疑いが持たれている問題が浮上しており、こちらについては、交渉のためトルコ外相が来週米国を訪問する意向と報道されています。こちらの交渉が進展した場合も、トルコリラ円レートの支えになるとみられます。

週足では続伸6週目を維持

なお、週足で見るとトルコリラ円レートは続伸が続いています。
今週もこのまま上昇で引ければ、続伸6週目となります。

・トルコリラ円レート 週足 (2018年)

冒頭で述べたように、国際社会におけるトルコの状況は改善しつつあると言うことができ、さらに、ファンダメンタル的には苦境にあるものの「これ以上悪化することはないのでは」との見通しもあるため、レートは底打ちから上昇傾向を保っても不思議ではない状況と言えます。

事実、この8月からの上昇トレンドは力強いものであり、節目の20円を突破してから現在は21円も上抜けたところで推移しています。

改善の兆しが見えない高インフレを含め、難題は山積みであるものの、今年前半まで下降の一途をたどっていたトルコリラ円レートが、今ようやく下げ止まり反転に向かっているのは、確かなようです。

来週のトルコリラ円レート見通し

今日のトルコリラ円レート見通しは、高値22.05円から安値19.55円のレンジを予想します。

今日のレンジ予想/トルコリラ円見通しと推移

トルコリラ円 今週のイベントスケジュール

トルコリラ円に関し、今週から来週にかけての経済イベントとして、下記が予定されています。

15日(木)16時 8月失業率(前回値10.8%、予想11.2%)
16日(金)16時 9月鉱工業生産(前月比)(前回値-1.1%、予想0.3%)

※来週、特段の経済イベントは予定されていません。

今日のレンジ予想/トルコリラ円見通しと推移

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください