10年ぶりの利下げが確実視されるFOMC政策金利発表・議事録公開が、いよいよ本日(日本時間8月1日(木) 未明 午前3時)となりました。市場では、今回最も注目を集める利下げ幅と年間利引き下げ見通しについて議論が交わされています。
昨日の当社レポートでは、過去の金利変動幅に応じたドル円レートの変動幅調査結果とともに、今週頭の時点でアナリストたちがどのような予想を立てていたかを集計し、結局FOMC後にドル円レートがどう動くか、最もアナリストの見解が多かった予想内容を発表しました。
しかし、さらに1日経ち、FOMC発表当日となったことで、アナリスト予想もやや変化してきています。今回のレポートでは、最新のアナリスト予想結果を調査し、利下げ幅や年間利下げ見通し、そしてドル円レートの変動予想について、集計結果を詳しくお伝えします。
このページの目次
過去の傾向
さて、アナリスト予想の最新集計結果を確認するまえに、過去のFOMC後のドル円レート変動について、いくつか追加データを調査しましたので、そちらも共有しておきたいと思います。
FOMC会見後のドル円動向は?
そもそも、FOMCで会見が行われた後、ドル円は、円高・円安のどちらに動く傾向があるのでしょうか?相場には「大統領選前年は株高」といったアノマリー(経験則)がありますが、FOMCに関連したアノマリーを見つけることはできないのでしょうか。
昨年までは、FOMC声明発表後に記者会見を設けるケースと設けなかったケースがありましたが、今年からは、より市場との対話を重視するとの目的から、毎回記者会見が実施されるようになっています。
そこで、過去のFOMCごとのドル円レートの騰落記録を、会見あり・なしで区別して集計してみました。結果は次のとおりです。
会見があった場合、平均騰落幅は-0.04円(4銭の円高)となりました。といっても、一応円高方向ではあるものの、ほとんど偏りの見られないデータといえます。
やはり、単にFOMCがあったというだけで、何らかの方向感を見出すのは難しいようです。
「7月」のFOMC会見後にドル円はどう動く?
次に、FOMC実施月ごとになんらかの偏りがあるかどうかを調査しました。月や季節のアノマリーといえば「夏枯れ相場」などが知られていますが、FOMCの実施月でも似たようなアノマリーは得られるでしょうか?結果は次の表です。
こちらは、結果は+0.53円(53銭の円安)となっています。他の月でほぼ偏りの見られないデータもある一方、7月はそれなりに偏りが見られ、アノマリーとして信憑性のある数字と考えられるかもしれません。
と、ここまでは過去のデータから今回のFOMC後を予想を考えてみました。次に、現在のデータからの予想を見てみましょう。ひとつはCMEによる調査の最新結果、そしてもう一つは、現在のファンダメンタルズを分析したFXアナリストらが「今日」出した予想の集計結果を見てみましょう。
現在のデータ:CME Fed Watch
まず、CMEの調査結果の最新データは、次のようになっています。
こちらを見ると、0.25%利下げの確率が、昨日の発表結果より3.7ポイント上昇し、78.1%となっています。
一方の0.50%利下げ確率は同じだけ(-3.7ポイント)下降し、21.9%です。
ただ、この21.9%という数字を少ないと見るか、いぜん市場の五分の一もの割合が0.50%の可能性を織り込んでいると見るかは、考えどころと言えます。
アナリストの最新予想、調査結果は?
さて、いよいよ、FXアナリストらが出した最新の予想結果を集計してみましょう。
今回、今日出された最新予想としてサンプリングしたアナリストは、6人です。これらのアナリストが、FOMCで注目すべきポイントごとに、どんな見解を示したかを集計し、そのなかで最多支持のあったものがどんな見解だったかを調査します。
利下げ幅見通しは…
まずは、今日の利下げ幅見通しについて、アナリストの見解を集計すると、次のような内容となりました。…
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