今週頭27日から本日29日にかけ、トルコリラの下げ幅が大きくなっています。
今週頭から今日までのトルコリラ円相場を振り返りつつ、週末8月31日までのトルコリラ円レート週間見通しを解説します。
今週前半のトルコリラ円振り返り
今週頭27日から今日29日13時現在までのトルコリラ円は、高値18.590円から安値17.569円の取引レンジで推移しています。
こちらは、週初から今日までのトルコリラ円の2時間足チャートです。
とくに27日の下げ幅が大きく、先週末の18円半ばのレンジから一気に18円を割り込み、下値17.624円をつけています。
原因としては、27日がトルコ市場の先週の連休からの復帰日であったこともありつつ、27日はイギリス市場などが休場であり、市場参加者の少ないところをヘッジファンドなどに狙われた可能性もあるとみられます。
その後、下げの勢いはいったん治まったものの、28日にはトルコのエルドアン大統領の娘婿であるアルバイラク経済大臣が米国の経済制裁に対し批判的な発言をしたことで、再びトルコリラが売られ下落しています。
さらに本日29日も、トルコ当局からの経済危機への対応の兆候が見られぬまま、トルコリラのボラティリティは収まらず、下落傾向で推移しています。
今週後半のトルコリラ円見通し
今日29日、14時現在までのトルコリラ円は、高値18.590円から安値17.569円のレンジで、週間安値圏で推移しています。
こちらは今日のトルコリラ円レートの30分足チャートです。
現在トルコでは、対米関係の悪化、高インフレ、トルコ中銀に対するエルドアン大統領からの利下げ圧力、目先のボラティリティ上昇に対する当局の無策など、様々な問題が山積みとなっており、先週の一時的なレートの凪を経て、ふたたびの下値拡大リスクが意識されています。
しかも本日未明には米格付け会社のムーディーズがトルコの銀行を格下げしたとの報道も出ています。
8月初めに世界の新興国通貨を巻き込んでレートが急落した「トルコリラ・ショック」は、その後一旦の底打ちを見せていましたが、ここにきてさらなる急落の可能性が懸念されている状態です。