先週後半から今週のトルコリラ円レートは、先週発表のトルコCPIの悪化や、輸入国にとって悪材料となる原油高が重しとなり、18円台半ばの下値圏で横ばいに推移しています。
今週とくに経済指標の発表等は予定されていないものの、米国人牧師拘束問題などに進展がみられる可能性があり、関連情報に注目の必要な状況となっています。
先週後半からきょうまでの動きを振り返りつつ、今週のトルコリラ円レート見通しを発表します。
先週~今週にかけてのトルコリラ円概況
今週10月8日(月)から9日(火)にかけてのトルコリラ円は、高値18.538円から安値18.329円の取引レンジで方向感なく推移しており、先週終値比で下落しています。
先週後半の振り返り
まず先週後半を振り返ると、10月3日(水)から4日(木)にかけて、トルコリラ円レートが急落しています。(下図グリーン矢印)
この急落の原因としては、トルコリラを含む新興国通貨の売りへとつながった米長期金利の急激な高まりに加え、先週発表されたトルコ国内CPIの上昇、また輸入国トルコにとって重荷となる原油高などが挙げられます。
週末5日(金)にトルコリラ円レートは下げ止まったものの、そのまま横ばいで推移し、18.5円台で週を引けました。
今週のトルコリラ円の動き
今週に入ってからも、トルコリラ円は18.5円周辺を横ばいで推移しています。
今日までの数日は特にイベントなし
先週末から今日15時現在まで、トルコリラに関連して特別な経済イベントはなかったものの、先週末の6日(土)には、トルコ政府が経済立て直しに雇っていたマッキンゼーを早くも解雇したとの報道が出ていました。
理由としては、外部機関へ財政政策を渡すことへの野党勢力からの反発が強かったことが挙げられていますが、財政再建の糸口として期待されかけていたマッキンゼーとの提携が反故になったことで、トルコリラにはいっそうのマイナス要因とも考えられます。
また今日9日にはトルコで強烈にすすんでいるインフレへの対策がトルコ経済大臣アルバイラク氏から発表されるとの報道も出ていますが、これまでもトルコが有効な手立てを打った実績は乏しく、期待する声は限られています。
今週の経済イベントと見通し
トルコリラに関し、経済指標の発表などは今週何も予定されていませんが、先月末から高い注目を集めているトピックとして、トルコで拘束される米国人牧師ブランソン氏の釈放を決める裁判が、今週12日(金)に開かれるとの報道がありました。
報道ではブランソン牧師が解放される可能性は高いとされており、もしそれが実現した場合は、トルコの対米関係は大きく改善する可能性があり、ひいてはトルコリラの上昇要因ともなりそうです。