今週9/2〜9/6のドル円市況を、ドル円FXアナリスト予想まとめレポートの予想内容とからめて解説し、また来週9/9からのドル円相場予想を行います。
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今週の主な材料:米中対立と地政学的リスク
今週のドル円相場は、米中対立に関するヘッドラインが大きく方向感を決するなかで、さらに浮き沈みする米指標結果や、香港・アジアでの地政学的リスクなど、材料の並んだ週となりました。
ただ、8月の相場がトランプリスクに翻弄された乱高下相場であったのに対し、今週9月に入ってからの市場には落ち着きが見られました。
今週中ごろまでの下落場面では105.0近辺で底堅さを示しつつ、結局週末の好材料を足がかりに上昇相場へ移行するなど、市場は買い材料を辛抱強く待ち構えていたかのようにも思われます。
週前半は米中懸念と米指標悪化で浮き沈み
前週末9月1日に米の対中関税第四弾が発動、また同日に中国からの報復関税も発動となったことを受け、今週頭の相場はオープンそうそう104円台後半まで下落しましたが、米中協議再開期待ですぐに106円台まで戻しています。週頭2日は米市場が休場とあって手薄な中の値飛びも懸念された一方で、やはり市場の底堅さが意識されました。
米が休み明けの3日は、米ISM指数が予想を大きく下振れ、また英離脱問題に関し先行き不透明感が増すなど、米中対立以外にも悪材料が並び、ドル円は再び円高進行となりました。
週後半は好材料相次ぎ心理大幅改善
しかし4日水曜には香港デモの引き金となった逃亡犯条例改正案を撤回するとの政府発表が報ぜられ、さらに英では「合意なき離脱」回避へ向け具体的な進展が見られるなど、レートの重しとなっていた地政学的リスクが大幅に後退したとみなされたことで、ドルは106.70円周辺まで一段高となりましたが。
そこへ5日木曜にはサプライズ材料として米中10月協議再開の報が入り、ドル円はさらに107.00円周辺まで上昇しています。
その5日午前に発行されたドル円アナリスト予想まとめレポート有料版では、まだ米中10月協議再開の報道前であったにもかかわらず、「香港条例改正案撤回を手がかりに米中対立見通しが改善して円安」との予想が優勢としていたことで、結果的には米中リスク後退での円安予想が的中したかたちとなりました。
来週のドル円予想
来週のドル円相場は、引き続き米中協議関連のヘッドラインが注目されるほか、米FOMCが次第に近づいてくるなかで、米景気見通しと、それに応じた米金融緩和見通し(米利下げ幅見通し)が大きな材料となりそうです。
米中会談期待はいぜん見通し不透明感も
米中10月協議の報道で市場にはにわかにリスクオン的な動きが顕在化したものの、実際のところ、まだなんら両国間で合意に向けた具体的な進展があったわけではありません。
さらに、これまで、米中会談が具体的成果へと結びつかなかったことや、会談開催予定自体が立ち消えとなったケースもあったことなどを踏まえ、10月会談報道から一夜明けた今日の市場では、リスクオン心理を抑制し、いぜん警戒が必要と呼びかける論調も出始めています。
景気懸念続くなか、市場は米指標を注視
また一方では、これまでの米中関税戦争の悪影響が、両国ならびに関連諸国の経済指標へ確実に影を落とし始めています。米中交渉再開の報道に隠れたかたちとなっていますが、世界景気減速リスクは払拭されていません。
さらに、米経済見通しや国際情勢が変化するたびに発せられてきたトランプツイートによる乱高下への警戒感も、市場心理に影を落としています。
来週の重要経済指標は
来週には、米で重要な経済指標の発表も相次ぐため、こちらも注目の必要があります。
週初の米・消費者信用残高や、週後半にかけての米CPI、米小売売上高などは、米景気見通しとダイレクトに相関する傾向があり、ドル円レートへ大きな影響を及ぼすため、とくに重要と言えます。
こうした状況下、来週のドル円材料としては、米中通商協議の進展、米経済指標、また欧州の政局リスクなどが引き続き注目されます。
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