【今週のドル円予想】米利下げめぐり、米指標へレート反応は極大化

【今週のドル円予想】米利下げめぐり、米指標へレート反応は極大化

先週10月28日~11月1日の市況を、ドル円予想レポート有料版の予想結果と照らし合わせつつ解説、また今週11月4日からのドル円相場予想を行います。

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先週の主な材料

先週のドル円相場は、週前半に米中通商協議の進展期待が支えとなってじり高展開が続いたものの、週後半の米FOMCにおけるパウエル会見で米追加利下げ余地への意識が台頭、さらに米PCEデフレーター・米シカゴ景気指数の下振れも金利見通しの下押し要因となって、週高値109.27円から週安値107円台まで急激な円安が進みました。


(ドル円為替レート、~11月1日、1時間足)

先週前半:米中期待を支えに底堅い展開

先週末、「米中合意の一部が最終段階近い」と報じられたことを支えに、先週のドル円は108.70円付近を円安含みでスタート、さらに、28日(月)にトランプ米大統領が「中国と予想より大きな合意の可能性」と発言したことで上値を追う動きが活発となり、レートは上値メドの109.04円まで上昇しました。

続く29日(火)もリスクオンの動きは継続しましたが、市場の関心はしだいに30日(水)の米FOMC結果へと移っていき、動意を失ったまま109.00円手前での横ばい推移へと移行、さらにNY時間に米・10月消費者信頼感が予想下振れとなると、108.80円までやや押し戻されました。

先週後半:FOMCパウエル発言さかいに一転円高

30日(水)には、市場から高い注目を集めたFOMC政策金利発表ののち、パウエルFRB議長会見が行われました。

政策金利は0.25%の引き下げと市場予想通りでレートの反応は薄かったものの、その後行われたパウエル会見の内容を巡って市場の金利見通しが大きく変化し、レートは大きく振らされました。

まず発言当初は、米景気の底固さに裏付けられた利下げ打ち止め観測の台頭で週高値109.27円まで急騰、しかしその後は「来年以降に利下げ余地あり」とする解釈が徐々に浮上し反落、その後の米指標(PECデフレーター、シカゴ景気指数)の下振れも重しとなって、週安値107.89円まで円高が進みました。

こうしたなかで、先週公表されたアナリストらの予想を集計した結果、週前半の米中協議一部合意への進展による円安予想、上値抵抗線が109.00円となるとの予想や、週後半のFOMCでのパウエル発言による利下げ見通し維持観測PCEデフーレーターなどの指標の悪化での円高予想がとくに材料視されていたことが、先週配信されたドル円アナリスト予想まとめレポート有料版で指摘されており、これらが的中した結果となりました。ま

今週のドル円予想

今週のドル円相場に関しては、米中協議進展へ向けたヘッドラインのほか、米で多数発表される重要経済指標が、重要材料として特段の注目を集めている状況です。

米中通商協議にからんだリスクへ注目を

先月上旬に部分的合意が報じられた米中通商交渉に関して、市場は「全体的合意へ向け着実に進展している」と評価しており、それまでのリスクオフの動きの巻き戻しによる円安圧力が、市場では現在も継続していると見られます。

しかし、こうした中でも、先週には「一時合意へ署名予定だったチリ開催のAPECが中止に」「中国がトランプ政権との包括的合意可能性を疑問視する発言」といった報道が続いており、市場では、同問題の先行き不透明感が強まったとしてドル売り円買いに出る動きが、一部で表面化しています。

ここでアナリストらの最近の解釈を振り返ってみると、大筋で米中が合意へ向け協調のもと動いている状況に変わりはなく、最近の悪材料はそれをやや停滞させる恐れがある程度のもの、というのが、多勢のアナリストの認識と言えそうです。

ただ、気になるのはやはり、トランプ米大統領の動向です。トランプ氏は自身の2020年大統領選挙再選を視野に置いたうえで、対中戦略については「歩み寄りを見せ合意期待感を出しつつ、ときに強硬姿勢に転じて強いアメリカを演出する」といったパターンを繰り返してきました。

このところは、トランプツイート出現頻度の高いFOMC後であるにも関わらず、トランプリスクによるレートの乱高下はまだ見られていません。しかし、それだけに、そろそろ中国に対して強硬姿勢へと転じ、自身のペースでディール(取引)を進めていることを、内外にアピールしようとする可能性があるのではないか、として、市場では警戒感を呼んでいます。

こうした米中問題に関しては、今週も多くのヘッドラインが出てくることがほぼ間違いありませんが、毎日多数のアナリスト分析を集計することで、今後の展開の予想や円高・円安予想を行うことができます。米中問題に関する円高・円安予想は、今週も毎日配信されるドル円アナリスト予想まとめレポート有料版にてご確認ください。

経済指標結果で米利下げ見通しが振らされる状況へ

先週は、FOMCに前後して、米雇用やPCEデフレーターなど多くの重要な米経済指標が発表され、ドル円レートはその結果に振らされる傾向を強めています。

この流れは今週も続き、米製造業新規受注や、米PMI、米ISM製造業指数、ミシガン大指数など、今週発表される重要な米経済指標に反応してドル円レートが高下する展開となりそうです。

このように、米指標へのレートの反応が大きくなってきていることの背景には、米景気見通しの不透明感があります。

先日のFOMCで今年三回目の利下げ(金融緩和)が行われたことからもわかるとおり、現在、米景気見通しは不透明感が増してきており、利下げによる景気下支えがなければ、景気下振れの可能性が高まることは避けられない状況にあります。

ただ、それでもFRBがより大幅な利下げや複数回利下げに言及せずに澄んでいるのは、ひとえに、これまでの米経済指標が底堅いものだったからです。

ただ、このところの米経済指標が市場予想を下振れるものが多くなっていることで、市場では「いよいよ米景気も停滞期か?」との懸念がじょじょに高まりつつある、というのが、直近の状況と言えます。

そのため、このタイミングで、景気指標でもきわめて重要な位置づけにある米雇用統計や、今週の米ISM製造業・非製造業などが堅調な結果を維持できれば、市場の不安は一気に払拭され、ドル円レートが大きく円安方向へ上放れる可能性が高くなります。

これから毎日発表される経済指標については、多くのFXアナリストがファンダメンタルズから結果予測を行っていますが、さらにそれらを見渡して集計し、各指標が円高・円安のどちらに影響するかを毎日発表しているのが、ドル円アナリスト予想まとめレポート有料版です。こちらは、先週のFOMC前後の指標結果についても、大きな高下を呼んだ指標結果予想を的中させる結果となっており、今週も、予想集計結果が毎日配信されます。

今週の経済指標発表一覧

上記のものを含め、米利下げ見通しに影響する米景気指標として今週重要視される可能性がある米指標は、次のようなものとなります。

4日(月) 米・製造業新規受注
5日(火) 米・PMI、ISM非製造業景況指数
6日(水) 米・MBA住宅ローン申請指数
7日(木) 米・失業保険申請件数
8日(金) 米・卸売在庫、ミシガン大消費者態度指数

こうした経済指標が今週の何日何時ころに材料視され、それぞれが円安・円高のどちらへ影響する見込みか、発表予定日時とFXアナリストらの事前予想を集計し、最も主流となるドル円アナリスト予想を解説するレポートが、こちらからご購読いただけます。

 

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