安倍首相後任4候補の経済政策見通しとドル円への影響

安倍辞任報道直後の大幅円高から、現在はやや戻したものの、後任候補や経済政策見通しの続報が、いぜん注目を集めています。

各候補に関する経済政策見通しと、ドル円への影響を考えます。

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今日のドル円重要材料と、高値安値メドは?

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「安倍プレミアム」剥落と後任候補への注目

安倍総理の辞任表明を受けた8月28日の相場では、大きく円高が進みました。

アベノミクスと呼ばれる安倍総理の経済政策に対し、金融市場は一定の評価を置いていたため、安倍総理辞任表明で、この「安倍プレミアム」が剥落、リスクオフでの大幅円高を呼んだかたちです。

これまでの経済成長や株高を呼んだ要因のひとつである金融緩和に関しては、日銀黒田総裁の任期(2023年4月まで)が残っている間は継続と見られているため、緩和による景気下支えも継続する見通しです。

しかし、それでも安倍辞任のニュースは国内経済見通しに大きな見通し不安を与えたと見られます。

そのため市場は、安倍総理の後任が誰になり、それぞれどのような経済政策・金融政策を提示するのか、それがドル円にどのような影響を与えうるのか、続報に注目している状況です。

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「アベグジット」は懸念後退?今日のドル円重要材料と、高値安値メドは?

後任四候補の位置づけと円高・円安見通し

安倍総理の後任としては、次の四名の名前が浮上しています。

・菅官房長官
・石破元幹事長
・岸田政調会長
・河野防衛大臣 ※31日に出馬見送り表明

石破氏:緩和非推進、党内基盤は強くない

このうち石破氏を除く三名は、現安倍政権を支える主要メンバーと言えます。このため、菅氏、岸田氏、河野氏が後任となれば、安倍政権の円安政策は大筋で継続されそうです。

一方の石破氏は、現在の金融緩和による円安政策に批判的なスタンスとされるため、石破氏が後任となった場合は円高が進む可能性があります。

また石破氏は、自民党内で支持が比較的薄く、この点でも、政局不安定化リスクから円高圧力につながる可能性があります。

岸田氏:財政引き締め方向で円高懸念

石破氏以外の三名を比較した場合、まず財務省寄りの姿勢で区別されるのが、岸田氏です。

岸田氏はかつてから財務省寄りで、財政健全化を訴えていることなどで知られています。

この「財政健全化」とはすなわち、財政引き締め方向の政策を意味しており、金融緩和を巻き戻すことにあたります。

この点では、岸田氏が後任となれば、景気支援のため現在行われている金融緩和が減速となりかねず、景気後退リスクの高まりから、リスクオフの円高が進む可能性があります。

河野氏:麻生派で政策継承度高いがやや政局リスク

※河野氏は31日に出馬見送りを表明しました。

河野氏は自民党内で麻生派に属し、安倍政権の継承という意味では、どちらかと言えば政局不安定化のリスクが少ないと言えます。

河野氏は外交面で強腰の言動で知られるほか、米国との距離感の近さも特長と言えます。国民から人気の高い小泉進次郎環境省が「河野氏出馬なら支援」と表明したことも追い風と言えそうです。

ただ、一部では河野氏出馬を「時期尚早」とする声もあり、河野氏が後任となれば、一定の政局不安定化リスクが残るため、どちらかと言えばリスクオフの円高が続く可能性の方が高いと言えます。

菅氏:政策引き継ぎと政治力で円安の可能性

残る菅氏は、安倍政権で官房長官を勤めた実績のほか、また様々な省庁を横断した人脈を持つとも言われることから、安倍政権の政策を引き継ぎ、さらにそれらを今後も推し進めていくことができるとみられています。

このため、菅氏が後継となった場合は、政策が非連続となるリスクが最も小さい、とみられています。特に海外投資家などからは、この点で懸念後退とみなされ、菅氏後任なら円安へ戻す可能性があります。

ただ、安倍政策を引き継ぐという面では、逆に言うと、新味に欠けるとも言えます。コロナ禍のなかで安倍政権の政策には批判も多く、支持率が低迷していた中で、菅氏がどのように国民の支持を取り戻すことができるかは、リスクと言えます。

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後任は菅氏優勢で懸念後退、今日のドル円重要材料と、高値安値メドは?

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9月中旬には新総理が選出へ

安倍総理の後任を決める自民党総裁選は9月15日頃に行われる見込みであり、これに先んじて、9月1日には日程や選出方法が決定予定となっています。

→1日、自民党は総裁選につき、下記のスケジュールを公示しました。
・8日 告示
・14日 投開票(都内ホテルにて)
・16日 臨時国会収集、新総裁を新総理大臣に選出の見通し

選出方法や日程の決定後に各候補者の正式な立候補表明がなされ、様々な報道を受けてドル円レートも上下する展開が予想されます。

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