トルコでは、きのう3日に消費者物価指数(CPI、前年比)など重要経済指標の発表がトルコ中銀から行われました。
トルコリラ円の今週の動きを確認しつつ、これらトルコ経済指標発表と関連するポイントについてまとめます。
きのう3日のトルコリラ円振り返り
今週9月3日月曜から今日4日火曜、11時現在までのトルコリラ円は、高値16.999円から安値16.425円で小動きに推移しています。
こちらは、昨日今日、およびそれ以前を含む10日間ほどのトルコリラ円日足チャートとなります。
CPIは前回+15.85%、市場予想+17.60%に対し、結果は+17.90%と、高水準のインフレがさらに悪化した状況となりました。
また同日発表されたトルコ8月生産者物価指数(PPI、前年比)も、前回+25.00%に対し予想+27.50%のところ、結果が+32.13%と、やはり大幅に物価高が進行している状況となっています。
このところのトルコ通貨安により、トルコでは海外からの仕入れ(輸入)コストが増大しているはずです。そのしわ寄せが国内物価高となって現れてきている状況と見られます。
CPI発表後のトルコリラ円レート
CPI発表と同時刻、トルコリラは大きく振れており、対円レートも反応しました。こちらはきのう3日からのトルコリラ円の2時間足チャートです。真ん中あたりの大きなローソクが、これら経済指標発表によって値が動いた時刻となります。
とはいえ、大きな下落のあと、ほぼ同幅をすぐに戻し、その後はやや下げたレンジで推移しています。
これは、CPI発表後に出たトルコ中銀の「物価安定を支えるために必要な措置をとる」との声明が大きく影響していると見られます。
トルコでは現政権のエルドアン大統領が支持率維持のために中銀に対し利下げ圧力をかけていると言われますが、一方のトルコ中銀は、その圧力に屈せず利上げを断行した実績があります。今回の声明も、高インフレに利上げで対抗する姿勢を暗に示したものと市場は受け取っており、これがトルコリラにとっては支えとなっていると見られます。
きょうからのトルコリラ円見通し
CPI・PPI発表から明けた今日、トルコリラ円は、高値16.753円から安値16.661円のレンジで小動きの推移となっています。
こちらは、きょうのトルコリラ円の30分足チャートです。
依然もみ合い展開が続いているところながら、今後のポイントとしては、利上げをにおわせるコメントを発したトルコ中銀の動きのほか、対米関係の鍵を握る米国人牧師拘束問題があります。
米国人牧師拘束問題については、トルコと米国が関係改善に向けて動く可能性について報道があったほか、牧師解放の是非について来月10月12日にトルコ裁判所が審議結果を発表するとの情報もあるようです。
牧師解放へ動けばトルコリラには支えとなりますが、そうでなければまだまだ底の見えない下落が続く可能性もあります。
また、より短期的なトピックとしては、きのう3日に休場であったアメリカ市場が、きょう4日夜から休場明けとなる点も、注意が必要と言えるでしょう。