ドイツ銀行の信用問題は、訴訟やストレステストの不合格などありますが、一番大きいのは、米司法当局が、モーゲージ担保証券(MBS)不正取引で当初、巨額の140億ドル(約1兆4000億円)を請求するという報道がされてから一気に経営不安が増して株価暴落のリスク要因となりました。
米司法当局との和解金は、54億ドル(約5400億円)に縮小される見通しだが、それでも巨額な賠償金であることは変わらず、ドイツ銀行の経営負担になることは間違いないと思われる。
ドイツ銀行は大きすぎてつぶせないと言われており、破綻することは現時点ではないと思われるが、ドイツ銀行が抱える金融取引で派生したデリバティブ債は、75兆ドルあると言われて、もし破綻することになれば、リーマンブラザーズの破綻時の負債70兆円のさらに上を行く260兆円あまり負債増額と言われています。
リーマンブラザーズが破綻したときは、同時にAIGなどの複数の会社が連鎖的に破綻の危機になり、政府に救済されていますが、ドイツ銀行が万が一破綻した場合は、それしのぐ規模の連鎖破綻の可能性があり、ドイツ第2の銀行コメルツ銀行やクレディスイスなどへの波及も考えられています。
ドイツ銀行の危険度を図る一つの目安にCDSといわれる社債や国債などの信用リスクに対しての保険の役割を果たすデリィバディブ契約があり、この数値が高ければ高いほど信用がなく危険度が高いというものです。
9月30日時点のドイツ銀行のCDSは 225,34で格付けはBBB+です。
同じ格付けの銀行と比べるとBBB+では、
- ドイツ銀行 225,34
- シティグループ 91,80
- クレディ・スイス 144,66
- ゴールドマン・サックス 109,26
- BANK OF AMERICA 92,08
となっており、ドイツ銀行がダントツで高くなっています。
破綻前のリーマンブラザーズのCDSの動きは、2月くらいに400前後から一旦200を切るところまで下がり、破綻前は600くらいになって、破綻したという動きになっています。
比較すると現状のドイツ銀行の225.34というのはかなり高い数値だとわかると思います。
ドイツ銀行の株価も下落の一途をたどっており、9月の下旬から過去最安値を記録しております。 年初では、22ユーロほどあった株価も最安値では10.55ユーロと半額以下になっていました。 和解金の減額報道で下落が一息つきましたが、根本解決には至っていませんので、今後も最安値更新の可能性が高いと思われます。
ドイツ銀行の信用不安が最大化して破綻する場合は、世界的な金融パニックになり、100年に1度と言われたリーマンショックをしのぐ世界同時大暴落を引き起こしかねない重要な問題となっています。
毎日の日経平均予想を、AM7:30頃にメールでお届けします。
平均利回り | 最高利回り | |
---|---|---|
日本株 | 2.24 % | 15.00 % |
米国株 | 1.46 % | 554.00 % |
リート | 7.23 % | 8.77 % |
あなただけの「今年の日経平均株価予想」を作る